2014年10月13日

586)東北復興支援で訪れた石巻と気仙沼

10月11日と12日、台風上陸が騒がれる直前、今年3回目になる東北に、気仙沼と石巻を巡る「図書館バス」(<あしたの本>プロジェクト:一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)、一般財団法人 日本出版クラブ(JPC)、一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)による被災地支援活動)のお手伝いとして、バスに同行しながらイベントを行った。
小さいバスに本を詰めて回る図書館バスだが、被災地の子どもたちとコミュニケーションできる良い機会である。マイティブックは出版社、本づくりの基本がわかる「パタパタ絵本制作ワークショップ」を現地で行い、4か所で約30冊の絵本を子どもたちと作った。

しかし、「図書館バス」といっても、なかなか子どもたちは寄ってはこない。
そこは私の得意とする積極的な一本釣りで、子どもたちと絵本を作りながら、いろんな話をした。
その中で印象的な子どものエピソードを紹介したい。

ひとつは、「大豆」少年たちである。
「図書館バス」は、気仙沼と石巻にあるスーパーマーケット数カ所の駐車場で月二回の貸し借りを行っているのだが、そんなこととは知らない中学生2名が、駐車場にやってきた。
絵本作りに興味を持つのは女子だろう、という先入観はあったが、私の高校1年の息子に近い男の子だし、なんとなくおばちゃんモードで話しかけてみた。すると、意外に本作りに興味はあるという。

私が東京出版社の人間だと打ち解ける前に、紙の面付けの仕組みに興味を持ったのか、パタパタ絵本作りに挑戦してくれた。パタパタ絵本作りというと、小さい子どもたちのワークショップのようだが、そこには、本づくりの基本になる紙の面付けという仕組みがある。そういった、ちょっと玄人的な言葉にくいついてきた少年たちは、興味津々で制作に挑んでくれた。
出来上がった本には、タイトルが必要である。表紙にはタイトルと作者の名前が必要なことを教え、タイトルを考えさせてみた。随分悩んだあげくに、一人の少年の作った絵本の表紙にはタイトル「大豆」、、、、。もう一人の少年が私に向かってちょっときまずそうに「これはないでしょう!」といいながらも、大笑い。実は彼らは、「大豆の変化」という学校の宿題のため、スーパーマーケットに大豆の変化商品を調べにやって来たのである。

彼ら自身、ここでおせっかいおばちゃんに出会うとも思わなかっただろう。絵本を作った後、「図書館バス」にあった大豆関係の本2冊を借りて(押し付けられて)帰っていった。こんな少年たちのまっすぐな日常がなんだか嬉しかった。この気持ちは、きっと被災地とは関係ない。日本の子どもたちの、まっすぐな育ちと触れる心地よさだった。そんな彼らを見ながら、支援するという言葉はあまり適切ではないとも感じる。ここにいる子どもたちは、「支援される」という受け身の立場より、自ら伸びるほうが楽しいことを知っているのだ。

そして、もう一人は小学生5年生。お父さんとスーパーにやってきて、「親子で絵本を作りませんか?」の私の声に入口で反応した男の子だった。

「やってみたい」という男の子に、お父さんは「そんなこと、やってもらっても困るんだ」の一言。「簡単ですよ、5分でできます。どうですか?」と言うと、父親は「勉強してもらうと困るんだ。大学行きたいなんて言ったら金がかかる。早く働いて欲しいんだ」、、、。それは、どこかで聞いた言葉だった。そう、戦後の混乱でうちの両親が子どもの頃に言われたという言葉。勉強したかったねえ、、、とい言う母の記憶が甦りる。そして、その親子は足早に立ち去っていった。東北の10月にしては暖かい日だったのだけれど、私の中に、寒い風が吹いてなんだかとても悲しくなった。

だが、10分ほどしてその男の子が走って戻ってきた。「お父さんが10分くらいなら、車で待ってくれるって!」と嬉しそうに言いながら…。そうだよ少年、君のお父さんは正直で素晴らしい人なんだよ、、、。
簡単パタパタ絵本と言っても、ヒントなしに折り上げるのは大人でも難しいのだが、その少年はあっという間に仕組みを理解し、本当に5分で仕上げてしまった。「お父さんは、すごいね。君の才能を見抜いたんだね」と言うと、嬉しそうに「うん」と言って、お土産の絵本(福音館さんから、何冊かギフト用の絵本を提供していただいています)を受け取り、またまた足早に帰っていった。
本当は、もっといろいろ教えてあげたかったけど、車で待っているお父さんの気持ちも良くわかる。手早く5分で終わらせたが、自分の名前の書いてあるあの絵本が親子のコミュニケーションになってくれればいいなと思わずにはいられない。子どもの笑顔が親の希望になるんだから。

震災から3年経った。でも、3年経ったからこそ、どんな支援が必要なのかが見えてくるのだと思う。
今回は2日間だったが、支援の在り方を深く考える機会でもあった。
絵本ワークショップに参加(無理矢理?)してくれた皆さんありがとう。

ただ、被災地の状況も千差万別で、どれが一番有効で本当に必要かという手段は、3年で見えることもあれば、もっと長い年月が必要なこともある。
でも、私が感じたのは、大人のそんなストレスを日々子どもは受けながら暮らしていても、自らの成長を生きる糧にしていることだ。そして、子どものそんな成長を支える社会を作ることが、私たち大人が生きる目的なんだということ。まだ3年、もう3年、、、こうやって毎年時間を心に刻みながら、その時々に合う、コミュニケーションをするために、これからも東北へ訪れようと思う。



  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 23:42Comments(0)子育てノート「毎日がファンタジー」

2014年08月21日

582)夏休みの宿題 読書感想文の書き方

夏休みの終了間際の緊急企画?
子どものための読書感想文の書き方 3つのアドバイス

子どもの夏休みの宿題で、一番厄介なのは読書感想文…。ママ友から夏の終わりに聞く言葉です。
まず、課題の本を読むことが前提ですが、その物語が長ければ長いほど、1日、2日では終わりません。夏休み終了間際の1週間、そこで課題図書の要約サイトやブログにアクセスし、それを読んで感想文を書く、もしくは小さい子どもなら、親が検索して書かせるのでは?と検証できるような、子どもの本好きで課題図書についてもたくさん書かれている友人サイトの話もあります。
 
 こうして本が嫌いになったと言う子どもも多いようで、読書感想文って何のための読書推進活動なんだろうと考えてしまいます。しかし、感想文そのものは悪いことではありません。自分の見方や視野を膨らませるいいトレーニングになるからです。
ただ、今更そんな呑気な事を言っていられない状況の皆さんも多いハズ。そこで、ちょっとした工夫で、書きやすくなる方法を伝授したいと思います。

1) 感想文は一人で書くという思い込み
感想文って孤独な一人作業だと思っていませんか?もちろん、他人の作文の書き写しやコピペは厳禁ですが、書く前に意見交換することは、ブックトークといって海外では当たり前に行われています。友人も忙しくて会う時間がないという場合、今はフェイスブックやラインがあるので、仲間と本についての感想をやり取りしてみてはどうでしょう。1冊の本を自分が分かる(読んだ?)部分だけでも、他人と議論を深めていくと不思議とお話全体についての理解が進みます。そのやり取りで、思ったことを自分の言葉でまとめてみましょう。

※<追加の技> ブックトークで友人が言った言葉に共感することもありますよね。そういう時は、その言葉を使ってもいいのです。その場合のルールは、「他人の言葉」であることをはっきりさせて書くことです。例えば<友人はこの本について「●●●」と言ったが私もそう思った。>とか。そうすれば、これは他人の言葉だけど、自分の言葉でもあると伝えることができます。

2) 本は中身だけではない
読んだけどどうしても、感想が書けない場合。これが紙の本のよいところで、本というのはカバーのデザインや挿絵、使用されている紙の質感、活字の書体、ページの枚数や重さなど、すべてが本なのです。本の感想は、お話だけでなくてもいいのです。作り手の立場になって、どうしてこのような装丁にしたのかを考え、感想を加えると、意外に本の全体で言いたいことがまとまったりします。実際本って、棚から読者の手に取られるかは、装丁が勝負なのですよ。ビジュアル脳の人には、このアプローチをおすすめします。

3)読まなくてもいいという選択
どうしても、興味が持てず読めない本ってあります。課題図書であっても、やっぱり無理だったという場合。そんなときは、読んだふりをして書く必要なんてないのです。でも、宿題が、という皆さん、そんな気持ちを書くのです。テーマは「どうして私がこの本を読めなかったのか?」です。
文体が頭に入らない人もいるでしょうし、ほかの本が良かったという人もいるでしょう。それは感想文じゃない、と言われるかもしれませんが、心の糧になる読書とは、そういった「なぜ?」を考えること。読んでもない本の感想を無理やり書くより、ずっと有意義な読書感想文なのです。(と私は思います) 

<番外>
遊び過ぎてタイムアウトな残念な皆さんへ
「読めなかった」理由を素直に書いて出し、締切の執行猶予をもらうのがよいのではと。(私の職業では逃げることが、出来ないのでこうして謝りながら続けています…。)
ただし、まだ夏休み終了まで約10日。あきらめるのはまだ早い!頑張れ子どもたち!本は君たちの味方なんだよ~~。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:39Comments(0)子育てノート「毎日がファンタジー」

2014年07月22日

579)「外飯母子」も遠い日の夢 

子供の夏休みがはじまりました…。
寮生活の息子も戻ってきて久しぶりの3食ご飯作りです。
子供が小さいときどうやっていたんだろ?と思うくらい面倒です。
ちょっと前は手抜きの「外飯母子」という手もあったのですが、最近はもう母親とのご飯はありえない、と全身で息子に拒否られたりします。

子育て直下の皆さんのご苦労は察しますが、今振り返ればとても楽しい時間でした。
真夏の暑さに、バテそうな時に子どもと公園で食べたアイスクリームの味を思い出しながら、梅雨明けマジかな空を見上げております。

そういえば、最近スーツで働く女性、少なくなりましたね。以前はスーツ姿でベビカーを猛ダッシュで押し保育園に行くママを(自分も)よく見かけましたが、今は本当にカジュアルです。ここ10年で本当に環境の変化を視覚からも感じますよ。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 10:35Comments(0)子育てノート「毎日がファンタジー」