2010年08月22日

518)戦後、図書館で廃棄処分された「子どもの本」



古本市で100円で売られていた本。手にとって衝撃を受けました。
それは廃棄の「廃」と「日本国…」の印鑑のついた、昭和6年発行の『こどもの世界歴史』で富山房の発行でした。「廃」マークのある本は結構見かけるのですが、この中に筆字の書き込みがあったのです。



「本書ハ終戦ニ際し図書室ヨリ廃棄セラレしモノ、捨テルニシノビズ此処に止ムルモノ也」と書かれていました。

誰が誰に廃棄してくださいと、書かれているわけではないので、真実は、図書館のスペースの都合などで捨てることになったのかもしれません。でも、この本は第一次世界大戦後のところで終わっていて、ロシアや社会主義についての記述など微妙な表現があります。私は、やはり戦後の教育思想の問題で無理やり廃棄させられた本だったのではないか、と思わずにはまいられないのでした。

8月は戦争について考えることが多い月です。この本に、戦争が終わっても戦後教育の民主主義のゆがんだ形を見た気がします。そして、この言葉を残した人の気持ちが伝わってきます。

「ならぬものは、ならぬ」という軍国主義の正義感には嫌悪を感じますが、「ならぬものは、ならぬ」というのはまっとうな考えです。この本は、命令(ならぬ)に逆らい廃棄されなかった。でも、後世にこの事実を伝えために命令(ならぬ)に従わなかった。この、どちらがまっとうでしょうか?後者が「賢い」まっとうだと思います。

しかし近頃、このまっとうの「賢さ」が、ずるさに代わってきていると感じます。「自分の利益」、「自分の都合」が、「賢さ」に見せかけた「ずるさ」に変化して、まっとうにくっついているような気がします。もちろん多様な価値観を否定するつもりはありません。でも、自分軸のまっとうな主張は、私にはどうしても「ずるさ」に見えるのです。

たまに、外国人の友人と話をしますが、それは日本人だけではないとも言われ、余計悲しい気持ちになります。それが世界のマジョリティーになれば、未来の地球はどうなるか…を考えてしまうからです。


そして、この古本は私に、「自分の子どもに人の生き方を教えるだけでなく、その自分の子どもが、また自分の子どもに人の生き方をどう教えるかまで、考える必要がある」と時を超えて語りかけてきます。今の政治や経済も、次世代の次世代について大人(今の世代)が思いやる力があれば、今の低迷した日本の状態はきっと変わるはずです。

でももし、この本が「子どもの本」富山房(『かいじゅうたちのいるところ』モーリス・センダックの本などの出版社)でなければ、あの本の山から私は手にしなかったでしょうね。
「子どもにまっとうな思想を与える教育、そしてそのための賢さを日本の大人がちゃんと持つための『ブックバード日本版』作りは大事なミッションですよ…と。何かつながりというか、声が聞こえます。
毎日、ウンコまみれの夢(本当)を見るくらい大変な本で、誰か助けてって感じなのですが、もうちょっとがんばってみようと思います。だって、日本には、世界の子どもの本の中にこんな歴史があるとか、こんな思想かあるって教えてくれる本は、これしかかないからです。
私の思いに共感していただけるみなさん。
せび『ブックバード日本版』のご購読をよろしくお願いいたします。
http://www.bookbird.jp


  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 16:28Comments(0)マイティブックについて

2010年08月15日

517)終戦記念日

この日を記念日といっていいのかなあ。お誕生日と同格のお祝いではない気がしますが、まあ、記念日ではありますね。

先日、『ブックバード日本版』の百々編集長に広島原爆の日にお会いしたら、「暑いけれど、やはり日本人としてこの日にグータラと家でゴロゴロしていちゃダメだって思うんですよね」おっしゃっていました。

まったく同感です。

戦争を知らない分、この日だけは忘れてはいけない、、、。という日を持っていないといけないと思いました。そして、今日の終戦記念日もです。

でもまだまだ、世界中では戦争が続いています。
終戦記念日も日本だけのことで、まだまだ戦火の中で暮らす人たち、子どもたちがたくさんいるのです。

日本だけで平和を実現できる時代ではありません。
もっと日本人には、世界のこと、子どものこと、を知ってもらいたいと思います。








  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 23:04Comments(0)

2010年08月03日

516)7回目の決算、次のチャレンジは『ブックバード日本版』

「マイティブックさんは何をやっている会社ですか?」とよく聞かれます。「絵っ…、絵本と子どもの本の出版です。発行点数は少ないですが…」

もちろん、編集のお手伝いや絵本記事やコラムの執筆、イタリアの出版社代理店なども業務として行っています。でも、売上の主力は自社の絵本。(まあ、全体が小さい数字ですから威張るほどではないです)

市場のニーズは現場にあり、が私のモノつくりの基本姿勢です。6年間、ボチボチ潰れないのもこの考えが間違っていなかったのだと、6月の決算の数字が出始めて、再確認している最中です。
決算は企業の通信簿ですから、結果を受けて反省とチャレンジをしていかなければいけません。

マイティブックの次のチャレンジは
『ブックバード日本版』です。
これも、ニーズを現場で見つけ、取材同行や図書館を中心にした営業活動を通じて現場のさらなるニーズを感じています。

産みの苦しみの次の育ての苦しみの最中ですが、子育てと同じで「成長」、「自立」と世の中へ独り立ちできるようにすることが、私の使命です。

かっこいいこと書いてるけど、強制的にそう思わないと前に、育ての苦しみは前に進まないところもありますよね。そして、子育てと同じように嬉しいことももちろんあるのです。

ブックバードのコンテンツを管理する、親団体がスイス本部のIBBY(国際児童図書評議会)ですが、このHPに『ブックバード日本版』が活動として紹介されました。http://www.ibby.org/index.php?id=1029
これって、すごいことなんですよ!(自己陶酔か?)国際アンデルセン賞を管轄するIBBYはユニセフやユネスコと同じ立場(カテゴリー)で、その本部サイトに活動ということで世界発信されるのと同じです。世界約70カ国の加盟国&世界中の子どもの本の関係者や図書館に情報が回っているということなのです。
9月のスペインで開催されるIBBY世界大会でも少し発表の場を用意してくださるみたいです。これは、本当に嬉しい。

でもね、私としてはあまり有識者方向に進んで行くと、子どもの本を本当に必要としている現場とは遠くなると。バランスを取りながら、やっていきたいと思います。


それでば、ふうう、、な暑い毎日ですが、頑張ります!みなさんも応援よろしく!
http://www.bookbird.jp
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:28Comments(0)