2011年05月30日

535)ありがとう!谷川俊太郎さん



金曜日に行われたJBBY賞の授与式で谷川俊太郎さんから、ブックバード朗読という素敵なプレゼントをいただきました。本当にありがとうございます。

2008、2010年の国際アンデルセン賞作家賞に谷川俊太郎さんと画家賞に林明子さんが推薦され、JBBY賞として殿堂入りしました。そのJBBY表彰式が先週27日に行われ、谷川さんに「ブックバード(英語)に、僕の詩が載っていて、よく見たら詩の特集なんだね、いや洒落たことやってるんだね」と表彰台で紹介していただきました。さらに掲載されていた「朝のリレー」を朗読してくれたのです。

もう神様のプレゼントのようでした。

「~それはあなたの送った朝を、だれかがしっかりと受け止めた証拠なのだ」

誰かに朝を送ると、誰かが受け止めてくくれるのです。

谷川さんが紹介してくれた『ブックバード日本版』No6の発行は6月15日から9月15日に延期になって、朝寝坊になっていますが、しっかり送ります。1対1で地球と向き合って、日の出を確かめます。

でも、震災時に金子みすずなど、日本人は詩に向き合っていましたよね。
谷川さんのおっしゃる通り「詩の特集」は、今この時にとても洒落ていると思います。
この特集も偶然の朝なのですが、、、、。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 20:33Comments(0)ブックバード日本版について

2011年05月25日

534)再び被災地の図書館へ

被災地の図書館に、JBBYの「折り絵本」というミシン目入りのA4を切って、ホッチキスでとめてつくる簡単な本を送りました。
(以前から『ブックバード日本版』を愛読していただいている図書館さんで、担当者に確認の上お送りしました。)

図書館の被害状況を写真で拝見しましたが、天井が落ち、棚が崩れ、多数の本が雪崩のようにフロアに広がっています。本好きには、目を覆うような悲惨な状況です。

本は、重いんですよね…。
そして、行政の支援も優先順位が低いと思いますし、施設としての完全復帰は多分1年、2年先になるのでしょうか?とても残念です。

図書館は、本を貸し出すだけのところではないと思っています。
知識というものに、インスパイアーされる場所、、、。そんな場所の提供も大事な役割だと思っています。
だから、「本が揃っているからとりあえずこれで復興支援終了」ではなんだか悲しいですし、日本の図書館はそれではいけないと思います。細く長い支援をやっていかないとね。

とはいっても、現状はやはり生活者支援ですから、
担当の方が、負担なく子どもと読書で接点が持てるもの、ということでお送りさせていただきました。

中身はマイティブックが以前、JBBYにボランティアで制作した『わらしべちょうじゃ』です。
昔話はお話がほっこりしていて、しかも先人の知恵があります。
被災地のみなさんも、何もないところから、豊かになればいいですね。
この折り絵本は他にも種類がたくさんありますので、ご興味のある方は詳細はJBBYのサイトをご覧ください。
http://www.jbby.org/shop/index.html

実は、マイティブックの『食育ぬり絵本』もお遊び感覚で触れられるぬりえなので送付を考えたのですが、今はまだ食育や食べ物の話を子どもに渡すのは気持ち的に辛いかな…と止めました。
これもはやく、子どもに送れるような元気な東北になればいいですね!


  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 10:54Comments(2)

2011年05月24日

533)震災のトラウマに効く子どもの絵本

いつもだれかが…

震災で心に傷を負った子どもたちのケアに役立つ絵本、児童書とはどんなものなのか、ずいぶんと議論をしていています。

愛や希望に満ちたものがいいと言いながら、家族の触れ合いが描かれたものは、被災した地域の子どもたちにはキツイのではといった意見など、、、、。

結局どんな本がトラウマに効くのか、結論は出ません。

津波が町を飲みむ生々しい体験とその後の悲惨な街の風景に、子どもは人間の無力さを、大人以上に動物的な感覚でとらえてしまったと思います。

だから「これを読めば前向きな気分になれますよ」とトラウマを簡単に克服できる子どもの本なんて、そもそもあるのでしょうか?

そんなことを考えながら、絵本を整理していたら、

国際アンデルセン賞2010年画家賞を受賞しスペインでお話もさせていただいた、ドイツの作家 ユッタ・バウアーさんの資料と絵本を読んで手が止まりました。

去年の9月には、感じることのできなかった、ただ見守るだけの愛の深さが絵本から溢れています。
心の傷のカケラが、コトンと落ちていくような気持ちです。
ヨーロッパの持つ深い戦争の傷と、悲しみの記憶を封じ込めた希望を読み取ることが、できなかったのかもしれません。(それは、それで私たちには幸せなことだったのですが、、、、。)


これが、国際アンデルセン賞を受賞作家の持つ作品の奥深さしょうか?

気持ちが不安で落ち着かない子どもへ、
ぜひ彼女の『いつも だれかが…』は手渡してあげたいと思います。
これは絵本ですが、中学生、高校生にも音楽のようにさらっと見てもらいたいです。
多分今一番無理して、自分の気持ちを抑えて暮らしている世代だから。  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 16:39Comments(0)

2011年05月18日

532)産経児童出版産経新聞社賞ーはやくはやくっていわないで

5月5日に産経児童出版文化賞の発表がありました。
今年はどんな本が受賞したんだろうと、資料を読んでいたら、かわいい船の絵の絵本がその中の産経新聞社賞に選ばれていました。
この本は、よくいく絵本カフェの棚に置いてあって、ぱらぱらとめくって「キャー50ページもある~」と気になっていた本でもありました。

でも会社で資料を改めてながめていると、平澤一平…。
約20年前の記憶がいっきょに湧き上がってきて、脳みそが沸騰!!!!!

私がまだ編集をやり始めた頃、担当していた雑誌の連載企画があったのですが、そこで無理してお願いしていたイラストレーターさんが、平澤さんだったのです。

平澤さんの絵は、べニア板にザクザクと彫刻刀で線を刻み、その上に色をぬって仕上げるという大胆な作品でした。納品で届けられる絵も紙ではなく、色のついたベニア板で、彫刻刀のささくれや、色むら、板の反り返りまでが、彼の作品!という堂々したもので、とても気に入ってました。

作家さんにとっても隔週刊で、あれを仕上げることは大変だったと思いますが、当時のデジタルスキャニング(ポジ撮影)の技術の問題もあり、印刷所泣かせの作品でもありました。

考えてみてば、紙質の悪い雑誌に新米編集者が芸術作品みたいなイラストを持ってきて、色がとか、彫刻刀の雰囲気がとか、、色校に文句をつけられたあげく 納品された印刷の風合いが悪いとか、印刷屋さんもなかなか大変だったと思います。本当に申し訳ございません。
編集長も「平澤くんの絵は中面の挿絵ではないだろうねえ」と半ばあきれていたっけ…。

そういわれながらも、いろいろチャレンジできた企画でした。

当時は、出版がまだ光を放っていた頃で、クリエイティブな部分にお金をかけることができました。

お金を使って雑誌を作るというと、今ではバブル世代だからと一笑されてしまいますが、お金=作家さんが自分のクリエイティビティを発揮できる環境だったとも思います。

ですから、ブランニューで突拍子もない作品やアイデアがどんどん誕生していて、雑誌つくりにやりがいがありました。絵が決まらないと、私なんか自分で描いてしまったり…。こだわって、こだわって毎日徹夜しても、楽しいと感じることができました。今1週間残業して、夜通しイラストを編集者が描いていたら、コンプライアンスもんでしょう。。ね。

バブルは不動産や経済など金融的にはマイナスで失われた10年などと言われていますが、美術や音楽から見ると、たくさんの才能が開花した時代で、私的にはまっく失われていません。

そんな昔が、ざーーーーーーっと平澤さんの名前でよみがえり、
また平澤さんがイラストで頑張っていたことを嬉しく思いました。


さて、この絵本はとても斬新です。
そしていわゆる、絵本の作り方と言われるものを無視してます。
ミシマ社さんは、ビジネス的な本の出版社で、絵本は初めてだと伺いました。
確かに突っ込みどころ満載、、(笑)

でも、この本、、、ものすごく絵と文の相性がいいんです。
そして、船は進行方向に向かって進んでいるんですが、船の主張が変わるところかだけ前を向いている。
自分の意思が相手に通じたところから、船外機が消えるんですよ。
心理描写が舞台のようで、これを意図的に描いたているなら、すごい編集力だし、
たまたまだった、すごい才能、、、。
からみまくる文章も、、、。

このお二人は名コンビ!ですね。
絵本は作るテクニックよりも、こういうシンパシーみたいなものも大事なんだと、原点を再発見した絵本です。このブログで前にも書きましたが、『1年に一度のアイスクリーム』も絵本の出版がほぼ初めてのコンテンツファクトリーからの発刊で、今回のミシマ社と似ています。絵本はそもそも、子どもだけのものではないのですから、先入観を持たずに作るのは大事かもしれません。

でも、でもねええ、、私の知っている平澤さんのイラストは木版だったので、この水彩で気が付かず、うかつでした!!!

それでは、平澤さん 第58回産経児童出版文化賞-産経新聞社賞 おめでとうございます!
心からお喜び申し上げます。

  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 17:47Comments(0)マイティブックについて

2011年05月16日

531)今井キラさんの個展へ

ご縁があって、今井キラさんの個展最終日にお伺いしました。

ご縁があって、、、と言うのは、大変失礼なのですが、このロリータ系のイラストには全く触れたことがなかったからです。

友人にくっついて個展の最終日に出かけた次第です。
http://kira.main.jp/


オフィスが神宮側(原宿に近い)の渋谷なので、たまにウサギ耳やフリフリワンピ―スを来た少女に出会うことはありましたが、話す機会もなく、また子どもの本の世界とは一線を画していると思っていたので、アウト・オブ・眼中でした。

しかし、実際に作品を拝見すると、そこには今を生きる少女たちのファンタジーが存在します。

可愛さの中に秘める悲しさや死といった(悲劇?のような)ものに、美しさを求める感性は大人と子供の間に存在する世界です。それが、大人好みに過剰に扱われてしまうとオタク~になってしまうのでしょうが、直球で少女たちの気持ちに投げると、ものすごい児童文学が誕生するような予感がしました。


BD、ロリータ、、、。
本当に知らないことばかり…ですね、、。
私もちょっとコスプレしてみますわ。
コスプレ、嫌いじゃないもん、キラいじゃないもん。キラ今井じゃないもん。 私がやると仮装? 
今井キラさんに、恒例の『ブックバード日本版』と一緒に写真をお願いしました。
ありがとうございます!!  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 22:01Comments(0)

2011年05月12日

530)後ろに続く道

嬉しいことがありました。

インターンで半年ほど会社に来てくれていた、女子大生(元かな?今は就職したので・・・)から、卒論が送られてきたこと。

『「経験」が教えてくれること』というタイトルの中には、マイティブックの取材でであった先生とのやりとりも書かれていました。

ずいぶんと私たちの頃とは、型式も様式も違うので、そこもしっかり観察。
彼女の卒論は私の記念誌でもあります。

そして、うちの貯金が趣味の息子が通っていた警察の柔道教室。
そこに隣の男の子が小学1年生になって通い始めたこと。

息子は今年から、県外の中学で寮生活を始めたので、6年生を区切りに退会してしまったのですが、彼が柔道に通う姿を見ていて、やってみたくなったそうです。(生まれた時から見ていたのね)

どちらかというと息子は嫌々通っていて、泣きながらの6年間でした。
でも、隣の家の小さな男の子には、それでも投げ出さずに小学校の6年間、柔道着をもって出かけるお兄ちゃんが頼もしく映っていたんですね。

頑張ったことの後ろの誰かが続いているって、本当に嬉しいものです。

頑張れば、誰かがどこかで見ていてくれるんだ。
それも、自分よりずっと、ずっと下の子どもが続いているという事実。

あきらめてはいけないのです。

簡単にあきらめてしまっては、後ろの道が、がけ崩れか、陥没か、はたまた液状化かで、通れなくなります。

だから、私の前にいる大人にも頑張ってもらいたい…な。

  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 20:47Comments(0)

2011年05月11日

529)2011年の新年は5月から・・・。



GWは10日間の長ーいお休みをしました。
ほとんどパソコンには触らず、いろんなところに出かけました。

そして、日常生活で目に見えない脅威へのバリアをずっと持続していくことがとても難しいと感じたお休みでもありました。だんだん、義援金の募金箱が賽銭箱に見えてきます…。(ごめんなさい。ただ募金額もだんだん少額になって、でも入れないとなあ~的な気分で小銭をかき集めて入れていると、つい。)

被災者の方には大変申し訳ないのですが、やはり本当にすべてを失った方と同じように感じることは無理ですし、またそうでなければ人間は生きていけないのだと思います。
だから自分側からの「共感」で、被災者のみなさんの支援につながるようなことを日々の生活に取り込んでいこう…。

人間の生きる目的は種を残す…、動物と同じ。
ただその目的を果たすための生き方がちょとややこしくなっていて、そのややこしさが「共感」という感情なのではないでしょうか?
でもその「共感」があるからこそ、生きることに喜びがあると思います。

日々の暮らしが突然失われること、それは日本だけでなくどの国のどの人にも起こることなんだな…。
田舎の青い空を見上げていると、その下に続く他の国の人々への「共感」も湧いてきます。


お休み中、田舎で田植えの風景や、土手のつくし、遅咲きの桜を見て自然の力強さと人間のもろさ、そして「人って何だろう」と哲学的な瞑想(私の場合は迷走?)をしていました。

ただ忘れてはいけないのは、私たちの生活は、もう3月11日以前と同じに戻すことはできません。
これからの日本、そして世界のため「共感」できる復興支援を目指していきたいと思います。
今年は5月が新年のようで、川辺のこいのぼりが応援旗のように見えました。



今週から元気に業務を開始。
マイティブックの絵本が「こい!のぼり調子」で売れています。  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 09:46Comments(0)