2011年07月26日

545)オランダの子供の本といえばアニー・M・G・シュミット

オランダの図書館や子どもの本屋さんの見学に訪れたのは、2008年9月でした。アムステルダムでは大規模なIT系のコンべンションと日程が重なり、ホテルが不便なところしかとれず、しかも高かった…。
でもそんなことを忘れるくらい楽しい旅でした。

その時に、出会った本がアニー・M・Gシュミットさんと絵)フィープ・ヴェステンドルプさんの「プルック」シリーズでした。

オランダのOBA図書館では、アニーさんの本は子どもに大人気だと聞き、マキゲフナトリや


アニーさんの使っていたタイプライターなどがたくさん展示されていました。


子どもの本屋さん「De kinderbokewinel」では


店頭になんとその表紙と同じクレーン車がありました。

帰国して調べてみると、まだ日本語訳が出ていません。
オランダの出版者に問い合わせて、マイティブックで出版したいと粘った本でした。オランダ語の翻訳というと、以前からJBBY(日本国際児童図書評議会)の理事の野坂悦子先生にお世話になっていたので、早速この本のことをお伺いしてみました。

すると、シュミットさんの本は先輩の西村さん、、、ということで、翻訳者の西村由美さんをご紹介いただいたのでした。

当時は出版に熱く燃えていました~。

結局、先に岩波書店さんが版権交渉に入っていてマイティブックには入る余地がなかったのですが、その後西村さんとの大事なおつきあいが始まった本でした。(その時にいただいた本が『王への手紙』で、私の大好きな児童書となりました。http://e055.dgblog.dreamgate.gr.jp/e17843.html )

そして、先日会社にいくと岩波書店さんからちいさなちい箱が届いていて開けてみると
素敵な絵本がぽぽぽぽーん!

『プルック』の日本語版がついに発売されたのです。
出版社に関係なく、自分が惚れた本がきちんと出版され、日本の子どもに届くというのは本当に嬉しいものなのです。感無量。本当にありがとうございます。西村さん、岩波書店さん。(涙)
先日の谷川俊太郎さんの『ブックバード』朗読に続く神様からのギフトです!

写真は、オランダで購入した『プルック』と日本で発売された『プルック』、いい感じです。


そして、書評は子供に聞く方がよいでしょう。


タイキチ「この本読みやすいよ。面白いしするっと読める!」
松井「子どもがひとりで暮らし始めるとが、変だって思わなかった?」
タイキチ「それは、あんまり思わなかったけど、なんでクレーン車なんだ??とは思った。でさあ、なんでゴキブリと友だちになれるんだ~」(笑)

大人が、変だとか、ありえないと思うところは、子どもには大した問題ではなく、むしろ「何で~??」が不思議でどんどん読み込んでいくようでした。まあ、ちょっと対象年齢が低い本だったこともあちますが、本当にするっと読んでしまいました。

私も、オランダ語だったため、??だった「マキゲフナドリ」の名前とストーリーが分かって嬉しかったです。ただ、少しだけ本の体裁を言うとフィープさんの絵本の楽しさが、ちょっと失われてしまったところが残念かなと…。洋書では、絵と文字が躍っていて、絵本としての魅力もあるですが、日本語版ではちょっとお行儀よくなってしまったイメージ。

もともと横組みの本なので、ページ内のイラストの流れは左から右で描かれているんだけれど、日本語は右から左の縦組みと基本的な構成が違うので、仕方がないんだろうな、、、。

ただ、内扉の表現は良くできていて、こんな風にイラストを、文章の挿絵としてではなく、絵本的な扱いでページに配置するところがあっても、よかったんじゃないかなと思いました。

ただ、読みやすさという観点では、今のほうがいいのかもしれません。
ぜひ皆さんも読んでみてください。

ペテフレット荘のプルック(上)(下)
アニー・M・G・シュミット (著), フィープ・ヴェステンドルプ (イラスト), 西村 由美 (翻訳)
岩波書店 価格:各 ¥ 1,995


そして、アムステルダム公共図書館OBAに行って「マキゲフナドリ」を見てきてね。
ちなみにこの下の写真は、OBAに飾ってあったアニーさんの写真。
でも、鼻の下に何か、落書きが、、、!!


なんですけど・・・、落書きされた写真をあえてパネルにしているとのことでした。
やりましたよね。子供のころ、教科書に書いてあった偉い人の写真にヒゲとか、メガネとかの落書き。
でも、その写真を飾る大人の遊び心が、児童文学の根っこにあるのがオランダなんですよね。

  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 19:10Comments(1)

2011年07月22日

544)デンマークの出版事情について パート2

デンマークの図書館と本屋さんの写真、、。
久しぶりに見たら面白いので、デンマークの子どもの本に興味のあるかたは参考までにご覧くださいませ!


face02図書館


デンマークの郊外にある図書館で、絵本のディスプレイのコンセプトは「子どもの宝探し」、見せるより探すが子どもの興味を誘います。


この椅子は作家さんがオリジナル(多分ボランティア)で作ったそうです。


日本のガイドブックの表紙、これを選ぶのがデンマーク感覚。幸福度
の高い国。


日本人作家に求められているのはマンガかもしれない・・・

face01書店


こちらはデンマークのほんやさん。普通の外国の書店のイメージ


児童書のコーナー。知育の本が目立ちます。


こちらもマンガが大人気です。



さて、デンマークに限らず海外の情報、たくさんネタがございます。コーディネーションや記事のお仕事スタッフ一同お待ちしております。

  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 10:29Comments(2)

2011年07月22日

543)デンマークの出版事情について パート1

マイティブックのホームページを見て、このブログからデンマークに関する出版の問合せがありました。デンマークに限らず、海外の絵本についての問い合わせも結構ありますので、ここに掲載しておこうと思います。

さて、質問の内容ですが、海外出版(絵本作家)に興味がある方からです。


質問内容:

デンマークで、「日本語」の絵本を描いて現地の出版社へ売り込みに行きたいと考えております。(日本でいう洋書の様な扱いで)
ただ、海外で日本語の絵本というのは需要はそんなに無いかと思いますし、現地の出版社に見向きもされない可能性も有るのかなと。
実際のところ、最近の絵本事情はどうなのでしょうか?


答え:

デンマークの出版事情というほど詳しくはありません。すみません。
2008年にIBBYの世界大会でデンマークに行き、そこで見学した図書館や書店とデンマーク作家協会のサロンで聞いたことをお伝えしますね。

デンマークの出版社からデンマークで、日本語の本を出すことはほとんどないと思います。ニーズがあれば別ですが、私が見た限りヨーロッパ圏言語以外の多言語の本で出版されていた本のほとんどがアラブ系のような移民の語学学習の教材でした。
純粋な絵本というものは、なかったように思います。もちろん多言語の本は図書館にはありましたが、デンマークの出版社のものではありませんでした。
日本語を前提にせず、デンマークの作家さんのお話などを絵本に仕上げるといったほうが、可能性が高いと思います。

また、これはデンマークに限ったことではないのですが、絵をどこで勉強したか問われることが多く、もし美大や美術学校での経歴がプロフィールにかけるようであれば、そこをアピールして持ち込みと、担当者と会えるチャンスが生まれるかもしれません。
もし、経歴がないのであれば、コペンハーゲンにも芸術大学やデザイン学校がありますので、そこに入学してネットワークを広げればよいかと思います。

デンマークには「デンマーク文学支援制度」というものがあります。(これはヨーロッパの国によくある制度)デンマークの作品を広げるためのものですが、日本人でもデンマーク文学を広げる目的であれば、利用可能のようです。
今の出版事情などはこちらにおたずねいただいたほうが詳しくわかると思います。http://www.ambtokyo.um.dk/ja/menu/InfoAboutDenmark/DanishLiterature/

こちらは上記サイトからの組織アドレス抜粋です。

デンマーク作家協会(The Danish Writers Association)
デンマークで最も歴史のある作家および翻訳家の協会です。1894年に設立され、メンバー数は約1400名に上ります。同協会の中には、デンマーク翻訳家協会も含まれます。
www.danskforfatterforening.dk
電話番号 +45 32 95 51 00

デンマーク小説家・詩人協会(Danish Writers of Fiction and Poetry)
1991年に設立され、メンバー数は約200名です。
www.daskforf.dk
電話番号 +45 35 43 16 60

デンマーク劇作家・脚本家連名(The Danish Playwrights' and Screenwriters' Guild)
1906年に設立された、演劇、ラジオ、テレビ、映画のシナリオライターのための組織です。
メンバー数は約270名です。
www.dramatiker.dk
電話番号 +45 33 45 40 35

デンマーク出版協会(The Danish Publishers Association)
1837年に設立され、出版業界に関係のある個人、企業向けの同業組合です。メンバー数は約60名で、売上はマルチメディアを含むデンマーク国内出版物の3分の2を占めています。
www.danskeforlag.dk
電話番号 +45 33 15 66 88

デンマーク書店協会(The Danish Booksellers Association)
デンマークの書店のための同業組合です。メンバー数は約380名で、デンマークの書店の90パーセントが加入しています。
www.boghandlerforeningen.dk
電話番号 +45 32 54 22 55


最後に:
日本ではあまり意識されませんが、作家や画家の交流の場で知識は外国人の会話に不可欠です。これが言葉の問題で片づけられてしまうのですが、日本人の若者には相手が「こいつは絵本の勉強をしているな」と思わせる知識が薄いのです。これは、ベトナムや韓国の作家のたまごさんたちと話をしていても日本人の学びの弱さを感じます。
ぜひ、「ブックバード日本版」を読んで勉強してください。デンマークであれば、指さしで会話をするだけれも、いろいろと学べ、図書館では役立つと思いますよ。icon09

以上、デンマークでの活躍祈っております。写真のデンマークの図書館で読まるれような絵本を作ってくださいね。


  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 09:51Comments(0)

2011年07月04日

542)スペイン・サンチャゴ 写真展開催! 

高円寺北口のル・カフェにて松井が撮影したスペインの写真展を7月2日-31日まで開催中。
気に入った写真は、カフェ利用者に限り無料で差し上げていますので、チェックしてね!

東京都杉並区高円寺北2-10-7 ヴィラグリーン1F
TEL:03-3338-5150   定休日:毎週火曜日   営業時間:11:30~20:00

http://twitter.com/#!/LUCAFE_Koenji

サンチャゴ・デ・コンポステーラはスペインガリシア州の州都で、ヨーロッパではキリスト教巡礼の地として3大聖地と言われている場所です。

昨年9月に機関誌『ブックバード』を発行しているIBBY(国際児童図書評議会)の世界大会が開催され、そのために訪れた場所でした。
スペインは初めて訪れたので、フラメンコや闘牛を満々に期待していたのですが、ここは全然、違っていました!!!

ガリシアというのは、バグパイプの発祥地であり、ケルト文化の流れを持つ全く違うところ、やはり、旅というのは行ってみないと分かりません。

大会の報告や、アンデルセン賞作家さんのまとめなどは、その後の『ブックバード』や『ブックバード日本版』で何回が書いたのですが、個人的な写真や旅の感想はなかなかお見せする場所がありませんでした。

高円寺「ル・カフェ」のオーナーに見せたら「松井さん、写真うまいんんじゃね?」とおだてられたので、調子に乗ってそのまま写真展の開催ということになりました。(ギャラリー・オーナーのみなさ~ん。口は災いのもとですよ~)

でも、さすが巡礼地のパワースポット、写真を並べたらお客さんが入り始めたそうです。
よかった、よかった!

みなさんも、高円寺にお越しの際は、ぜひこのパワースポットに足を運んでくださいませ。
写真は、どんどん入れ替わるので、何回でも楽しめます。

今月末までの開催中に、お楽しみ企画も用意していますよ~。

  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 10:27Comments(0)マツイのランゲージ・センター

2011年07月01日

541)制服論争

NPO法人の理事さんと制服についての議論を昨日しておりました。
彼女は制服(公立)反対派です。

主な理由は、
1)一番自分の個性を発揮したい子ども時代に、一律の制服を大人が押しつけている
2)公立は(ほとんど)小学校までは私服なのに、なぜ中学から制服が必要なのか?
3)なぜ公立の制服が8万円以上するのか?

というものでした。
私の制服ふぇち…という個人的な趣味は置いておいて、

このお話の中で、とても不思議というか、理解するためにもう少し状況を分析しなければと思ったのが、制服着用が大人の強制行為的なものという考えでした。

このような制服論を交わしていると、制服が囚人服のように組織が人を管理するための服に見えてきます。

ただ、私の制服の定義は囚人服ではなく、ユニフォーム。
分かりやすくいうと自分の野球チームでユニフォームを着るか着ないか的なとらえ方です。
ユニフォームは視覚的に所属団体を明確にし、また連帯感を生みだすものだと思います。

だから、そのユニフォーム団体を誇らしく思うか否か!

皆が、誇りに思えるような活動を行っているかのほうが、制服着用論にはもっと必要なのではないでしょうか?

制服を子どもたちが着たいと思う「可愛い」ものへ・・・、
(私服の学校に「なんちゃって制服」のほうが多いというのは妙な現象)

毎日服を考えなくていいから「便利」・・・ 


そんな、ことをよりも所属団体の意思!を高めれば、所属している人はそのユニフォームを着たいと思うわけです。
日本の公立中学は、公共なだけにその中身を考える使命は大きいと思いますよ。

そして、ひとつだけ彼女の意見に即答で賛成できたのは、公立の制服の値段はもうちっと下げてもいいところ。旦那さんのスーツが、某チェーンショップのペアペアセールで1万円の時代に、やっぱり高すぎると思います。

だぶだぶの制服を着た新入生はかわいいけれど、成長期の子どもの背丈にあった洋服を買い替えられるようにはしたいですよね。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:35Comments(0)マイティブックについて