2011年10月24日

552)ショーン・タンさんのJBBY国際講演会

2011年のアストリッド・リンドグレーンの受賞者ショーン・タン氏の国際講演会に⑩月22日、行ってまいりました。会場は津田塾大学の津田ホールで、490名定員のホールはほぼ満席という状態でした。

ショーンさんは、オーストラリアの作家さんで、お父様はマレーシアから、お母様はイギリスのるアイルランドから移住され、ご自身はパースで生まれ成長したそうです。奥様は、フィンランド人、、、。なんと多文化の入り混じったご家庭でしょう。
でも、そういうところがオーストラリアなんですね。

パースは、オーストラリアの都市の中でも何もなく、乾いていて、芝生がきれいなところ、、という印象の都市です。
ショーンさんが育ったころは、工事中の場所が多く大きな建物などが、大きな重機で建設されていたといいます。でもどこか寂しい、孤立した、そんな都市で成長したショーンさんは、自分の絵にその環境が大きく影響していると言っていました。

子どもの頃の、環境というのは潜在的に、大人の脳細胞で生き続けているものなんですね。
自分もそうだと思う。夕方、北九州の工業地帯からうっすらと流れる煙が、光のカーテンみたいで妙にきれいだったこと、若松の皿倉山のどす黒く錆びた鉄条網の風景、ショーンさんのイラストの中にある寂しい風景とオーバーラップします。

もしかしたら、子どもの頃の記憶というのは誰にとっても「さみしい」ものなのかもしれません。

そして、第2部は何とも豪華でした。
ショーンさんと柴田元幸さんとの対談ですが、きたむらさとしさんや、クラフト・エヴィング商会さんも登場しました。

きたむらさとしさんは、『ブックバード日本版』で紹介した、『希望という名の船に乗って』という本の挿絵を手掛けていらっしゃいます。

実は、今回の講座は一般聴講ではなく、お手伝いスタッフとして記録写真の撮影に参加したので、いつものようにミーハー的にサインだ!写真だ!お話だ!というわけにもいきませんでした。
主催者側に迷惑のかからなうようにおとなしくしていること…というミッションもありましたので…。

でも、この豪華メンバーによる第2部は、素敵でした。
作家さん同士の会話というのは、深みがあります。

ショーンさんの話題の絵本『アライバル』に登場するおかしな生き物のモデルは、オタマジャクシだそうです。オタマジャクシの足が生えてきたところにヒントを得たとか。それとペットのインコ。
女性のモデルには自分と奥様、、、。言葉はありません。
ぜひ一度手に取ってみてください。

そして、アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したショートフィルム「The Lost Things」の上映会も行われ、ホントにお得な講演会でした。  

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 17:19Comments(0)