2014年01月18日

567)本づくりの技術

3年ほど前に、スぺインの古い皮表紙の本を修復する製本屋さんで聞いた話。
「図書館にある古書はとても貴重な本なので、修理はぜったい必要、でも歳月で傷んだ本を修繕しても修繕しても、一生かかっても仕事はなくならない!!」 その時は、讃美歌が書かれた羊皮をクリーニングしていました。

そして、「でも、最近は修理に使う革が昔に比べて状態が良くないねえ」と牛や羊の飼育環境の状態が昔と違っていることや、中国からの輸入革の使用などについての話もされていました。

人間の持つ技が同じでも、使う素材が変化すると、以前と同じ仕事ができなくなるのです。
それは職人さんたちの努力だけではどうにもならないことです。例え、使う道具がどんなに進化しても、そもそもの材料の状態が劣化すれば、いい仕事は向上どころか、継承されないということです。

それは、電子書籍でも同じかもしれません。読み手もすぐに手に入り、管理も紙にくらべ簡単で、お金も紙に比べ安い、と技術が読者の利便性を高めてくれますが、お金の都合にばかり向いていると、本作りという技術が劣化していくのではないでしょうか?

本を作ることに関する「いい仕事」のハードルを、少なくとも自分の努力で頑張れる編集者や作者は意識して高くしていくようにしなければと思います。私たちは職人集団なんですよね。
何百年も人が手を入れて保存したい、と思う本を作ることができればいいなあ。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:21Comments(0)マイティブックについて

2014年01月16日

566)感性はすでにおばあちゃん?

 朝8時15分、ゴミ収集場に向かう私と、その先にある中学校校門を目指す中学生との並走。知り合いではないけれど、小走りしながらも目が合うと軽く会釈してくれました。朝から、「いいね!」と、とても気持ちがいいです。(でもさ、もっと早く起きなきゃね、プププ…)

 最近、街や電車で若者がちょっと気の利いたことをする場面に出合うと「あっ、いいねえ」と心底感心してしまいます。「世の中も、まだまだ大丈夫なようだねえ」と、感性はもう次世代に未来を託すおばあちゃんに近づいている証拠です。
 
 それはそれでいいのですが、「この子はいい子だ」という上から目線だけではなく、「自分もこうできたらいいな、こうしたらいいな」という水平目線は、意識してでも持っていたほうがいいと自覚するようにもなりました。さもなければ、自分がいいと思うことでしか、若い人を評価できなくなるような気がします。
 
 「子どもは未来」と言いますが、意外に近い未来であることも、自分より背丈の伸びた息子を見て感じます。だから、余計に自分規格を世の中に当てはめるには、まだまだ修行が足らない!
 若い人たちと一緒に、でも「うざい」と言われない程度に(これが一番難しいですが)、これからの世の中を作っていけたらなあ…と、最高に寒いけれど、気持ちいい朝に思いました。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:35Comments(0)マイティブックについて

2014年01月09日

565)捨てられた図書館:インドネシアで

昨年の5月、インドネシア・バリで開催された国際児童図書評議会のアジア大会に参加しました。
間をみて、近郊の大学や民間の図書館を見学し、その中のバリ州図書館の紹介記事を『学校の図書館』で紹介させていただきました。

が、私の中で忘れられない図書館…。
支援っていったい何なのだろう…。
悲しすぎて声も出なかった、もうひとつの図書館があります。
それは日本人の思いで出来た図書館です。


現場に訪れた時、たった3年で捨てられてしまった事実を受け入れることができませんでした。
特別な事情もあるかもしれません。
何か起こったのかもしれません。

善意の図書館を興味本位で取り上げてはいけないと、これまで記事にはしませんでしたが、ジャーナリストとして見たものへの衝撃に対する沈黙は自分の仕事をまっとうしていないように感じ、新年に届いた『バリ州図書館』の記事を読み返しながら悶々としていました。

新年から、これではいけません。
ですので、私の個人ブログに記事を掲載します。

この図書館がこうなってしまった経緯は、まだ調査もできていませんが、こういう図書館があったという事実を知らせることが何かにつながるような気がします。  続きを読む

Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:33Comments(0)マイティブックについて

2014年01月07日

564)バリに行ったら図書館に行こう!

図書館振興財団の機関誌『学校の図書館』に世界の図書館を紹介しています。
郵便物がぎゅうぎゅうに詰まった、お正月明けの郵便受けに最新号の2013年冬号が届いていました。
この号は、インドネシア・バリ州図書館です。




私は図書館や書店が昔から好きで、旅行に行くたびに見学をさせていただいています。
今はインターネットである程度現地の情報がつかめるため、メールで見学の依頼を先にすることが多いのですが、現地で見つけた施設を飛び込みで見学のお願いすることも、まだまだよくあります。

言葉の壁はありますが、写真撮影もあまり断られたことはありません。(もしかしたら、日本が一番断られ率が高いかも。でも訪問数も多いですからね…) 言葉の壁はあっても、その国の本の話をすればすぐに打ち解けます。翻訳出版が充実している日本ならではの特典かもしれません。

この『学校の図書館』の連載は、そんな訪問した国で見た複数の図書館から1館選ぶという難しい技に毎回挑戦しています。
取材したものを限られた数に絞るというのは、私にとって一番難しい作業なんです。(1館に絞っても、今度は写真が選べなくて、もうデザイナーさんごめんなさいというくらい送ってしまいます)

このインドネシアの図書館も、大学の図書館、民間の図書館、障害者施設の図書室、などどれも興味深い図書の現場から1つだけ選びました。

2年間の連載で思うのは、施設の有名さや大きさだけではなく、読者(図書館関係者)がこの記事を読んで、訪問できること。さらに何かしら日本での図書活動に役立つ図書館を優先したいということ。

多分、図書館のスペックに関しては読者の皆さんのほうが私より数段詳しいので、それ意外の目で新しい何かを提供できればと思っています。

日本人がこれだけに海外旅行に出かける時代ですがら、そこで図書活動に関係するみなさんには、自由時間を違ったかたちで使ってもらえれば、私の狙い通りです。(記事のコピーでも見せて「ここを見たい」と訪問すれば、案内をしてくれると思います)

参考までにこれまでのバックナンバーの記事は以下です。冊子の購入もこちらのHPからできます。
学校の図書館HP>

2012春 アムステルダムOBA (誰でも訪問できます)
2012夏 中国北京学校図書室 (事前に連絡すれば、教育関係者は多分OK)
2012秋 ロンドン大英図書館 (誰でも訪問できます)
2012冬 シドニー市立 カスタム図書館 (誰でも訪問できます)
2013春 シンガポール大学図書館 (入館に身分証明書が必要です)
2013秋 コペンハーゲン市立 地域文化センターの図書室 (誰でも訪問できます) 
2013冬 バリ州図書館 (誰でも訪問できます)


世界中に素敵な図書館はたくさんあります。最近そんな図書館の紹介をする本も日本語でたくさん出ているので、図書館にはあまり興味のない人は、日本では見ることのできない大きな図書館巡りも楽しいですよ!
読めない本ほど萌えるのは私だけかもしれませんが・・・。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 10:31Comments(0)マイティブックについて

2014年01月06日

563)twitter発マンガ「親がパンダでも子は育つ」展

絵本つながりでお知り合いになったイラストレーターのスピカさんが描いたマンガを、高円寺北口のルカフェをお借りして展示いたしました。 ご興味のある方、お近くの方ぜひお立ち寄りください。ルカフェは、マイティブックの読書イベント「読むの樹講座」の会場としてもお世話になっている、高円寺北口あずま通り入口のかわいいカフェです。


すぴ&とぴの
Twitter発 子育てブログマンガ「親がパンダでも子は育つ」

2014年1月8日~31日まで


LU CAFE
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-10-7 ヴィラグリーン1F
定休日:毎週火曜日 *不定期でお休みの場合もあります
営業時間:11:30~19:00



展示の準備ただ今完了!明日(7日)はお休みなので、ご注意ください!  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 21:29Comments(0)マイティブックについて

2014年01月06日

562)世界中に「子育ては素敵な魔法」をかける絵本を



2014年あけましておめでとうございます。

 2004年にマイティブックを資本金2004円で起業して11年目に入りました。10年の間に、絵本、書籍、雑誌、フリーペーパー、翻訳書、はたまたコンサルタントの企画書作りなど文字に関わるさまざまな仕事を行いました・・・。(悩みはいつも資金不足と人不足でしたね)

 10年前にマイティブック第1号の本として誕生した『おつきあいのやりとり帳』は、未だに売れており現在3刷でロングセラーとそろそろ呼んでよいかもしれません。自分の子育ての失敗経験から生まれたものですが、やはりそういう生活のニーズに関わる商品は強いと改めて感じます。 『おつきあいのやりとり帳』を含む、子育ては素敵な魔法をコンセプトにした文房ブック「いにみにまにもシリーズ」は現在5シリーズですが、どれも細々と売れていて、シリーズ累計では1万部を超えました。

 起業当時に企画を練ったこの商品は、私がまだ子育ての最前線にいたので、ユーザーとの距離も近く、読み聞かせのボランティアなどで販売させていたき、仕事はほとんどママ友との雑談だったことを思い出します。
当時お知り合いになった皆様、そしてお子様は皆お元気でしょうか?『おつきあいのやりとり帳』の記載は20歳までですので、その頃にご購入いただいた方はすでに10歳のページまで進んでいるはずです。

 もし、マイティブックが2024年まで元気に活動を続けていたら、『おつきあいのやりと帳』を20歳まで綴り、コンプリートしたお客様にプレゼントとして豪華『ハワイ家族旅行』!…、に行けるパンフレットプレゼントと綾小路きみまろではありませんが、何か贈り物をしたい気持ちでいっぱいです。

 2014年から新たに始まる次の10年を、マイティブックを信頼し支えてくださる皆様のために、世界中が「子育てが素敵な魔法」でいっぱいになるような活動を続けていきたいと思っています。
 
 出版は今大きな変革期を迎えています。文字に関わる仕事のフレームを広げるとともに、現場のニーズにあったマイティブックでしかできない商品を作り続けることが、生き残る唯一の道です。
 
 これから先の10年も苦労の山がすでに見えていますが、「きちんと耕した畑にはおいしい作物が実る」ことをたくさんの人から教えてもらった、これまでの10年がマイティブックの力になっています。
 
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


マイティブック
代表取締役 松井紀美子




  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:01Comments(0)マイティブックについて