2014年05月14日

577)本が売れない出版不況、会社や事業をどうする私!?

6月末で決算11回目。決算は会社の通知表ですが、イマイチぱっとしない。というか、ここ数年ダメダメの落第が続いていて、これからのことを考えると、めまいがしそうになります。
それなりに、ひとつずつうなずきながら前に進んだ10年ですが、昨年契約更新を絶たれ足払いのように撤退した雑誌事業の次の一手が必要だし、自分の年齢と稼働力を考えるとのんびりと考えてばかりも出来ない・・・。 
お金の神様が敵に見える?怪奇現象も起こり始めていました。

そんな時、ハッと気が付いた出来事がありました。

翻訳者や編集者、美術館の関係者など著名な有識者の皆さんと、日本で未発表の絵本に関する勉強会に先日参加させてもらったときです。

皆さん知識と経験を持った素晴らしい方で、絵本についての所感や日本で出版する場合など、かなりこだわった意見交換が行われ有意義な勉強会でした。

しかし一方で大きな不安が襲います。

それは、日本で出版する場合という話に至るとき。

製本やカバー、判型にこだわった数々の海外の絵本を前に、「このままの形で日本で出版するにはコストがかかるので、無理だろう・・・」というコメントがいつも交わされるのです。

マイティブックも出版社ですので、その事情は200%理解できます。

しかし美しい海外の絵本は、絵本が紙であることの意味と意義をも伝える作品。
それをこれから出版社につなぐ(売り込みをかける)人たちが、コストを考え無理と判断する。
これまで大手出版社に何度か提案したけれど無理だったという経験からでしょうが、今の日本の出版環境の閉塞感を改めて感じた次第です。

そんな出版社のコスト計算がクリエーターにも伝わり、それなりの出版可能なコンテンツで絵本が量産されていく。
今の日本で、読み捨てにされる絵本の現場と現実。

日本の大人の持つ常識的な見識で、それなりのマーケットで商売をするということも悪いとは言いませんが、それは大手出版社しか出来ないことです。資本の少ないマイティブックは、生き残れない。

一方で海外からは、多様で多彩な、こちらがうなるような作りの絵本が毎年届きます。
この差はどこで生まれるのか?

それは作り手が売り手とこだわる可能性への想像力ではないか?
経験から産まれた新たな想像力で挑むという態度。小さなマーケットへのこだわりは、小さな出版社が図書館や書店といっしょになった読者開拓の活発な活動にも通じています。

大人の経験がそのまま今の子どもたちには通じない変化の激しい社会です。
子どもたちの心をつかむ、「あっ」と言うような本は、こうじゃなきゃ採算がとれないという計算からは望めない。

そして、想像力が不足すると、閉塞感が増すのは当たり前。
ということは、出版不況も当たり前。
今の日本に閉塞感が増しているのも当たり前。

新しい出版事業のしかけを、問題の原因そして流れを小さなマーケットで見直していけばマイティブックは生き残れる。
煮詰まった計算を無視して、もっと想像してみよう!

もともと、マイティブックはそんな設立を目指していたではないか!

参加した勉強会の目的とは全く違うのですが、何だかスッキリしてしまいました。

会社の経営を安定させることが目的ではなく、皆がわくわくするような出版文化を実現する事業、結果会社が安定する。そんな覚悟を決めた事業計画を再構築。もともと企画書づくりは大好きなのだ。

この、弾けるような感覚が仕事の面白さ。  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 12:11Comments(0)マイティブックについて

2014年05月08日

576)中国で出版開始!マイティブックの絵本

『なまえのおはなし』

30年以上も前の話だけど、今でも忘れない。
私がシンガポールのインターナショナルスクールに入学したばかりの頃、クラスメイトは私のことを「ジャパニーズ」と呼んだ。
当時、日本人の女の子が数人いて、ほとんどの女の子の名前に「子」が付いていた。
加えて私の「キミコ」は、外国人には発音しにいこともあった思う。

でも数日経つと、仲のいい子数人が「キミコ」と名前を呼んでくれた。
それが本当に嬉しかった。

そして、私が英語の授業に慣れ始めた頃、誰も私を「ジャパニーズ」なんて呼ばなくなった。
友だちは私を「キミコ」と名前を呼んでくれた。
自分の名前を呼ばれると、それは自分がみんなに認められているという嬉しい感覚で満たされる。名前は自分の存在を示すアイデンティティだと知った。

子どもは自分の名前をやさしく呼ばれると、瞳をキラキラとさせる。
そして嬉しそうに返事をする。
そんな子育ての現場で、「そうだそうだよね、嬉しいよね」、と思わずにはいられない。だって自分がここにいることを認めてもらっているのだから。どんな小さな子どもでも、名前が自分のアイデンティティであることを理解できるのだ。
誰も教えていないのに、とても不思議・・・。

『なまえのおはなし』は、小さな子どもたちのために、名前の持つ力と初めて親からもらうギフトの素晴らしさを物語に詰め込んだ。そして、みんなに本当に素敵な名前があることが伝わるイラストを林るいさんが添えてくれた。

子どもが大きくなって、このオリジナル絵本を開いたら素敵なメッセージになって返ってくるだろう。
それは、マイティブックでしか作れなかった1冊だと自信を持って言える。

そして、出版から10年経っても、未だにキラキラしている絵本がマイティブックから生まれたことが嬉しい。
そして、出版から10年経って、そのキラキラが中国の子どもたちにも届けることができるのが嬉しい!

中国版は『なまえのおはなし』、『おつきあいのやりとり帳』、『おとうさんのにがおえ』の3冊セットです。
もちろん、他2冊もマイティブックのロングセラー。

中国語出版に協力してくれた、蒲蒲蘭さん本当にありがとう!!!!お月様の歌も中国語、、当たり前ですが何だか可愛いです。


  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 21:25Comments(0)マイティブックについて