2014年08月23日

584)子どもの本のジャーナリズムとは

 これまで子どもの本について勉強しながら周囲に感じていた違和感の理由が、最近やっと分かるようになった。私が欲しているのは、絵本や児童書の文学的な価値を学ぶことではなく、どうしてそれが世の中に受け入れられたのか、または子どもの本から生まれる新しい価値や環境の変化といった文化的な背景の追求、情報だということだ。

 もちろんそのためには、ロングセラーや文学的評価の高い本、また周囲から認められ地位を築いている有識者や作家から、作品についていろいろ学ぶことは必要不可欠なのだが、いざ勉強会に参加しても、その作品や作家のことだけで終わってしまうと、自分の中で不完全燃焼を起こしてしまうのである。周囲の皆さんのように、「●●●さん、すごいわね」、「さすが●●作品」とは、簡単にはならないのだ。

 ブックトークでも、子どもの本を読み、その作品や作家について語ることにはあまり興味を覚えず、その本が子ども社会でどのように作用し、文化にどう影響するかについて意見が集中してしまうことが多い。そのため、申し訳ないことに議論が教育から子育て、はたまた国際問題や経済や政治のほうに発展しがちで、子どもの本が大好きで、本について語り合いたい皆さんとは、なんだかかみ合わない空中戦の話し合いになってしまうのである。
 
幸い、私の周りにいる子どもの本好きの皆さんは、大人なのでそんな私にもフォローをしてくれるためありがたいが、絵本コラム二ストという肩書から、絵本についての講師を頼まれると、主催者側とのミスマッチが発生することも多々あった。

 そこでモヤモヤの原因がはっきりしたので、最近は子どもの本のジャーナリストという肩書を使うようにした。絵本のコラムニストであれば、やはり作品を文学的に評価する視線を持たなければ、プロとは言えないと反省したからである。

 すると今度は「子どもの本のジャーナリストって、何する人ですか?」と聞かれるようになった。「世界の子どもの本の現場や作品、作家を取材し、多文化社会における子どもの文化への理解を深め語る記者です」と自分の中では、のどごしよく答えるのだけれど、相手には「絵本(子どもの本)コラム二スト=子どもの本について語る人」との違いが分からないようである。最後には、「あっ、癒し系ではないということですね」の反応で、微妙に正解。

 でも、結論から言えば、肩書なんてどうでもいいのかもしれない。私の話から、問題意識や国を超えた理解を感じてくれる人が増えれば、子どもの本が人間の暮らしの中で発揮する素晴らしい力が伝わると思うから。そして、それが皆が望む平和な世界につながれば、私が言うよくわからない仕事も理解してもらえると思うから。まだまだ、言わなきゃいけないことは、たくさんあるぞ!  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 15:52Comments(0)マイティブックについて

2014年08月22日

583)出産祝いにぜひどうぞ!新カタログ

8%の新税率になって税抜表示に書き換えた書籍カタログがやっと出来ました!出産祝いには、マイティブックのオリジナル絵本をぜひどうぞ。


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Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 18:21Comments(0)マイティブックについて

2014年08月21日

582)夏休みの宿題 読書感想文の書き方

夏休みの終了間際の緊急企画?
子どものための読書感想文の書き方 3つのアドバイス

子どもの夏休みの宿題で、一番厄介なのは読書感想文…。ママ友から夏の終わりに聞く言葉です。
まず、課題の本を読むことが前提ですが、その物語が長ければ長いほど、1日、2日では終わりません。夏休み終了間際の1週間、そこで課題図書の要約サイトやブログにアクセスし、それを読んで感想文を書く、もしくは小さい子どもなら、親が検索して書かせるのでは?と検証できるような、子どもの本好きで課題図書についてもたくさん書かれている友人サイトの話もあります。
 
 こうして本が嫌いになったと言う子どもも多いようで、読書感想文って何のための読書推進活動なんだろうと考えてしまいます。しかし、感想文そのものは悪いことではありません。自分の見方や視野を膨らませるいいトレーニングになるからです。
ただ、今更そんな呑気な事を言っていられない状況の皆さんも多いハズ。そこで、ちょっとした工夫で、書きやすくなる方法を伝授したいと思います。

1) 感想文は一人で書くという思い込み
感想文って孤独な一人作業だと思っていませんか?もちろん、他人の作文の書き写しやコピペは厳禁ですが、書く前に意見交換することは、ブックトークといって海外では当たり前に行われています。友人も忙しくて会う時間がないという場合、今はフェイスブックやラインがあるので、仲間と本についての感想をやり取りしてみてはどうでしょう。1冊の本を自分が分かる(読んだ?)部分だけでも、他人と議論を深めていくと不思議とお話全体についての理解が進みます。そのやり取りで、思ったことを自分の言葉でまとめてみましょう。

※<追加の技> ブックトークで友人が言った言葉に共感することもありますよね。そういう時は、その言葉を使ってもいいのです。その場合のルールは、「他人の言葉」であることをはっきりさせて書くことです。例えば<友人はこの本について「●●●」と言ったが私もそう思った。>とか。そうすれば、これは他人の言葉だけど、自分の言葉でもあると伝えることができます。

2) 本は中身だけではない
読んだけどどうしても、感想が書けない場合。これが紙の本のよいところで、本というのはカバーのデザインや挿絵、使用されている紙の質感、活字の書体、ページの枚数や重さなど、すべてが本なのです。本の感想は、お話だけでなくてもいいのです。作り手の立場になって、どうしてこのような装丁にしたのかを考え、感想を加えると、意外に本の全体で言いたいことがまとまったりします。実際本って、棚から読者の手に取られるかは、装丁が勝負なのですよ。ビジュアル脳の人には、このアプローチをおすすめします。

3)読まなくてもいいという選択
どうしても、興味が持てず読めない本ってあります。課題図書であっても、やっぱり無理だったという場合。そんなときは、読んだふりをして書く必要なんてないのです。でも、宿題が、という皆さん、そんな気持ちを書くのです。テーマは「どうして私がこの本を読めなかったのか?」です。
文体が頭に入らない人もいるでしょうし、ほかの本が良かったという人もいるでしょう。それは感想文じゃない、と言われるかもしれませんが、心の糧になる読書とは、そういった「なぜ?」を考えること。読んでもない本の感想を無理やり書くより、ずっと有意義な読書感想文なのです。(と私は思います) 

<番外>
遊び過ぎてタイムアウトな残念な皆さんへ
「読めなかった」理由を素直に書いて出し、締切の執行猶予をもらうのがよいのではと。(私の職業では逃げることが、出来ないのでこうして謝りながら続けています…。)
ただし、まだ夏休み終了まで約10日。あきらめるのはまだ早い!頑張れ子どもたち!本は君たちの味方なんだよ~~。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:39Comments(0)子育てノート「毎日がファンタジー」