2016年09月16日

603)なぜ、中国北京ブックフェアで石原慎太郎?!

8月24日から28日に開催された北京ブックフェアに行ってきました。
北京は2度目の訪問ですが、訪れる度に街が進化していて、国の成長を感じます。





今回のブックフェア訪問の目的は、マイティブックが出版している絵本『はね』の曹文軒先生が、2016年国際アンデルセン賞を中国で初めて受賞したということで、期間中さまざまな曹先生のイベントが行われると聞いたからでした。中国の本が一同に集まるブックフェアですから、曹先生の新刊などもチェックできます。

会場は北京中心から、30分ほど離れたChina International Exhibition Centerです。この会場は、とても広く東京国際ブックフェアの会場と比べて3倍から4倍の広さで、同じ出版社が児童書と一般書の違うエリアで同じようなブースを出していたりと、地図が読めない女の私はマーキングも難しく迷路のような会場にヘトヘトで疲れました。

年々参加出版社も増えていて、出展社は2300、来場者は26万人(2015)だそうです。
特にヨーロッパからの出版社が増えているとことも注目。中国の成長市場に目を付けた中小の教育系出版社の出店が目立ちます。

ブックフェアといえば、編集者の間では「フランクフルトブックフェア」が海外の情報源とされていますが、実は9月のフランクフルトよりも、8月末の北京のほうが同じ情報を早くゲットできるのです。

出版社のブーススケールとしてはコンパクトですが、持ってくる本がアジアマーケットを意識している本が多いため情報収集がしやすく、フェア期間という限られた時間内でも集中できます。
まあ、渡航費用もフランクフルトに比べて格段に安いのがよいですね。

そんなブックフェアですが、日本からの出展社も増えているそうです。
「JAPAN」と掲げられた、エリアは日本語の世界、心が落ち着きます。中国は漢字文化なので、並べられた本もなんとなく分かるようで、分からない、、、。もちろん言葉は全然分かりません。見慣れた本がたくさんある「JAPAN」エリアは、文字情報が分かる~~~。


と、その時、こんな文字が目に入りました。

JAPANブース入口の一番目立つところに、No.1石原慎太郎『天才』・・・。

「・・・・」

石原慎太郎さんの中国に対する発言は、いろいろと問題になっていることは、普通にニュースや新聞を見ている人であれば、ここでこの本が展示されていると「アレ?!」と、何か違うメタファーを感じます。
まあ、『天才』は田中角栄さんのお話しなので、日中間の関係もあるとも言えるのですが・・・。
その石原慎太郎さんの本に気が付いたとたん、心がザラつくような気持の悪さを感じました。

で、もっとひっくり返りそうになったのが、No.2『おやすみロジャー』の絵本。
「・・・・」

この絵本は、スウェーデンの研究者が子どもを寝かしつけるために作った絵本です。
根拠が怪しいことや、絵本としての完成度が低いなど、子どもの本の多くの関係者から、レッドカードが出ている絵本です。
まあ、子どもが夜寝ないというのは世界共通の悩みですし、こういう本に救いを求める親がいることも事実です。

生活スタイルや好みも反映される絵本なので、良し悪しの話ではなく、、、。

中国に持ってきて、これが日本でNo.2の本です。とわざわざ、日本の読書文化の低さをアピールする必要があるのか!?と思った次第。 

で、No.3は、『正義の法』、大川 隆法さん・・・・・。



担当の女性にこの順位について伺ってみると、日本での流通量が多い順だとのこと。

このデータは、多分正しいのでしょう。

確かに売れた本なのでしょう。

私は情報操作をしろ!とは言いません。

ただ、データっていろんな取り方があるわけで、仮にも中国の国際ブックフェアの一番人が注目するコーナーで、このラインアップを展示する必要があるのか? を考えてしまいました。

この先に、何十もの日本の出版社がブースを構えているわけですから、もっと豊かな日本の出版文化を伝えるような企画で本を選べなかったのでしょうか? 日本人のこういうところが、国際関係で誤解を産んているのかもしれません。
ビックリぽんのJAPANでした。


思わず、日本のお勧め本に驚き、書き出してしまいましたが、目的は曹先生の活躍をこの目で見る事です・・・・。

これは、すごいの一言で、曹先生のポスターやサイン会があちこちで開催されていて、会場全体が曹文軒祭りでした。








私を見つけて、優しく微笑んでくれましたが、もうお疲れがMAXだと分かります。
それでも、子どもとの対談講座や講演会など、会場を走り回っておられました。

曹先生から、サインをもらった子どもたち。
私と同じように曹先生をおっかけて会場を回ります。
そんな、何度も会ってサインをねだる子どもたちにも、「ウザい」というような顔も全くせず、むしろどんどん優しく接する姿が印象的でした。


「中国と日本、文学はその両国をつなぐのです。国の違いを超えることに戸惑ってはいけません」国際アンデルセン賞受賞式の前に、そう私のインタビューに答えてくれた曹先生。
全くその通りです。

そういう意味でも、日本が世界に自信を持って紹介できる本を飾って欲しいし、そんな質の高い本が流通一位になるような、国民になりたい。
真剣に思いました。

そして、翌日訪問した北京国立図書館の児童書館で曹先生の『はね』日本語版を寄贈してまいりました。
担当者も子どもたちも大喜びで、日本語で描かれた絵本を眺めていました。
(でも、中国の絵本って、文字が全部漢字なので、とっても難しく見えますね。)



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Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 19:46│Comments(0)マイティブックについて
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