2017年04月13日

606)文字で伝える技術:企画書の場合

1)企画書と子どもの本との意外な共通点
 絵本の出版社と看板を掲げていても、出版自体は年に1冊出すか出さないかの零細企業。普段は他社さんの絵本以外jの書籍編集や、一般企業のパンフ、資料作りなどを請け負っています。
 近頃、ワードやパワーポイントの印刷が容易になったためか、少し気の利いたパワーポイントの企画書をイラストや図表を入れて作るといった依頼も多くなりました。他社さんの企画書は、とても勉強になります。それは、基本的な作り方が、絵本や子どもの本に似ているからです。
 子どもに何かを伝えたり、教えたりする本は、文字オンリーではなく絵や図表、文字の色や大きさを整えたほうが分かりやすく興味を持ってもらえます。
 プレゼン用の企画書のほとんどは、これまでにない商品やサービスなど一般的に知られていないものを表現するので、何も知らない相手にメリットや面白さをどう伝えるかが勝負。まさに子ども相手の本のように、「相手に内容が伝わりやすく」、そして「興味を持ってもらう」ということが企画書の制作に重要な視点です。

2)企画書はシンプルに1ページ、とは限らない
 ところが、この「伝わりやすい」=A4サイズ1ページにまとめると思っている担当者が意外に多いのです。1ページに収めるというのは、結果論。A4サイズ1ページで説明できるくらい、狙いの定まった新しい商品やサービスが素晴らしいということで、企画書に1ページに収めているから、素晴らしいということではないのです。
 また、「分かりやすさ」=丁寧な説明と考える担当者もいらっしゃいます。見せる相手に予備知識がないことを想定しているわけですから、まっとうな考え方なのですが、これに企画書1枚という、条件が加えられると、結局小さい字で1ページに無理やり収めることになります。
 また、箇条書きで要点だけを記載して1ページに仕上げるということもあります。でもこの、要点を羅列すつ書き過多も曲者で、ボディの文章をシェイプアップしすぎて、「目指す」、「可能」、「実現」、「ニーズにお応え」といったどの企画書でもありそうなキャッチ―な単語が並び、紋切型の表現になって内容に対する興味が湧きません。プレゼンのスライドで使うビジュアル的な補足資料であればよいのですが、プリント資料が
目的ならやはりサービスや商品の内容が、相手にどう伝えるかを考えることが大切です。

3)企画書は伝えたいことを伝えきるためのツール
 企画書は、商品やサービスを伝え、お客様の興味を予算やお見積りの金額にまでしっかりつなげなければいけません。社内などある程度知識が共有されているグループであれば、コンパクトにまとめても問題はないでしょう。
 しかし、商品やサービスを初めて知る相手には、シンプルが分かりやすいとは言えません。そして、アポやプレゼンの時間も考慮する必要があります。比較的長い時間のミーティングで、企画書1枚を持って、相手とコミュニケーションしながら詰めていくには、相当プレゼンのスキルか、話の得意な人でなければ難しいでしょう。また、短いアポなのにコンテンツたっぷりな企画書も最終的に伝えたいことまで行きつかず、早口でタイムリミットという残念な現場に遭遇したりします。意外と時間との関係は、考える担当者が少なく、私のどれくらいのアポ時間ですか?と状況を伺うと「分かりません」や「そんなこと何が関係あるんですか?」と言われたりします。
 これも、子どもの本と同じですよね。読み聞かせの時間が10分しかないのに、15分かかる本。もしくは2分で終わる本1冊。考えないと、せっかくの機会が無駄になります。
 企画書は中身をどう見せるかが重要で、持ち込む側が相手に伝えたいことを、伝えきることが役割りです。誰にでも配る汎用性のある企画書は、もはや書籍並みの編集スキルがいる作業。一般書籍を本屋でどうやって売るかと同じくらいのハードルの高さであると思います。そして、そこに、子どもの本の編集の視点が意外と役立つのでした。


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Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 12:21│Comments(0)マイティブックについて
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