2014年11月02日

589)ウフィツィ美術館展でイタリア絵本を販売中

東京都美術館で開催中の「ウフィツィ美術館展」にマイティブック取扱いの現地でしか買えないイタリアの本を販売中です。
メディチ家の大型本はすでに完売、、、。他の在庫も多分期間終了までもたない勢いで売れています。
ニッチな本なので、入荷を絞ったというのもあるのですが、ここに来てドルやユーロがガーーーン!と上がってきてしまい、緊急入荷が輸送費の関係で出来ない!
通常入荷だと早くて納品は11月末、、、。最近は、テロの問題もあってか税関検査にも時間がかかります。会期は12月14日までなので、入れるか入れないかの判断に悩みます。
でも、仕入れ値も上がってしまうと、販売原価率の問題も出てしまうという別の問題も出てくるし、、商売って難しいですよね。

来年から、フィレンツエだけでなくヴァチカンの現地ガイドや絵本も日本語版の取り扱いも始めます。輸入業はきついところもありますが、新しい商品はやっぱり楽しいのでした。 



ウフィツィ美術館展 黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで
Arte a Firenze da Botticelli a Bronzino: verso una 'maniera moderna'
2014年10月11日(土) ~ 12月14日(日)
東京都美術館
http://www.tobikan.jp/exhibition/h26_uffizi.html



  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:13Comments(0)イタリア・シラベの美術通信

2014年10月17日

588)新聞之新聞に国際アンデルセン賞について書きました。

2014年10月10日の「新聞之新聞」に国際アンデルセン賞と上橋菜穂子さんのメキシコでの授賞式の様子について書かせていただきました。「新聞之新聞」は書店など出版ビジネスに必要な情報を提供する新聞です。
そんな専門紙に大きくページを割いていただき恐縮ですが、ぜひ多くの方に小さなノーベル賞と呼ばれる国際アンデルセン賞について知っていただきたいと思います。

  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 21:05Comments(0)マイティブックについて

2014年10月17日

587)間もなく読書週間です

2014年の読書週間が10月27日から11月9日に開催されます。秋の読書、みんなで楽しみましょう。
そして、この読書週間を主催する読書推進運動協議会が発行する機関紙「読書推進運動」に、9月にメキシコに行き参加した第34回IBBY世界大会のレポートを2ページ書かせていただきました。

今年は、上橋菜穂子さんの国際アンデルセン賞受賞など、盛りだくさんの内容でお伝えしています。
読書推進運動協議会のホームページにも、同紙のPDFが掲載されているので、皆さんぜひお読みください!

http://www.dokusyo.or.jp/kikanshi/kikanshi.htm
感想もお待ちしています。



  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 18:06Comments(0)マイティブックについて

2014年10月13日

586)東北復興支援で訪れた石巻と気仙沼

10月11日と12日、台風上陸が騒がれる直前、今年3回目になる東北に、気仙沼と石巻を巡る「図書館バス」(<あしたの本>プロジェクト:一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)、一般財団法人 日本出版クラブ(JPC)、一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)による被災地支援活動)のお手伝いとして、バスに同行しながらイベントを行った。
小さいバスに本を詰めて回る図書館バスだが、被災地の子どもたちとコミュニケーションできる良い機会である。マイティブックは出版社、本づくりの基本がわかる「パタパタ絵本制作ワークショップ」を現地で行い、4か所で約30冊の絵本を子どもたちと作った。

しかし、「図書館バス」といっても、なかなか子どもたちは寄ってはこない。
そこは私の得意とする積極的な一本釣りで、子どもたちと絵本を作りながら、いろんな話をした。
その中で印象的な子どものエピソードを紹介したい。

ひとつは、「大豆」少年たちである。
「図書館バス」は、気仙沼と石巻にあるスーパーマーケット数カ所の駐車場で月二回の貸し借りを行っているのだが、そんなこととは知らない中学生2名が、駐車場にやってきた。
絵本作りに興味を持つのは女子だろう、という先入観はあったが、私の高校1年の息子に近い男の子だし、なんとなくおばちゃんモードで話しかけてみた。すると、意外に本作りに興味はあるという。

私が東京出版社の人間だと打ち解ける前に、紙の面付けの仕組みに興味を持ったのか、パタパタ絵本作りに挑戦してくれた。パタパタ絵本作りというと、小さい子どもたちのワークショップのようだが、そこには、本づくりの基本になる紙の面付けという仕組みがある。そういった、ちょっと玄人的な言葉にくいついてきた少年たちは、興味津々で制作に挑んでくれた。
出来上がった本には、タイトルが必要である。表紙にはタイトルと作者の名前が必要なことを教え、タイトルを考えさせてみた。随分悩んだあげくに、一人の少年の作った絵本の表紙にはタイトル「大豆」、、、、。もう一人の少年が私に向かってちょっときまずそうに「これはないでしょう!」といいながらも、大笑い。実は彼らは、「大豆の変化」という学校の宿題のため、スーパーマーケットに大豆の変化商品を調べにやって来たのである。

彼ら自身、ここでおせっかいおばちゃんに出会うとも思わなかっただろう。絵本を作った後、「図書館バス」にあった大豆関係の本2冊を借りて(押し付けられて)帰っていった。こんな少年たちのまっすぐな日常がなんだか嬉しかった。この気持ちは、きっと被災地とは関係ない。日本の子どもたちの、まっすぐな育ちと触れる心地よさだった。そんな彼らを見ながら、支援するという言葉はあまり適切ではないとも感じる。ここにいる子どもたちは、「支援される」という受け身の立場より、自ら伸びるほうが楽しいことを知っているのだ。

そして、もう一人は小学生5年生。お父さんとスーパーにやってきて、「親子で絵本を作りませんか?」の私の声に入口で反応した男の子だった。

「やってみたい」という男の子に、お父さんは「そんなこと、やってもらっても困るんだ」の一言。「簡単ですよ、5分でできます。どうですか?」と言うと、父親は「勉強してもらうと困るんだ。大学行きたいなんて言ったら金がかかる。早く働いて欲しいんだ」、、、。それは、どこかで聞いた言葉だった。そう、戦後の混乱でうちの両親が子どもの頃に言われたという言葉。勉強したかったねえ、、、とい言う母の記憶が甦りる。そして、その親子は足早に立ち去っていった。東北の10月にしては暖かい日だったのだけれど、私の中に、寒い風が吹いてなんだかとても悲しくなった。

だが、10分ほどしてその男の子が走って戻ってきた。「お父さんが10分くらいなら、車で待ってくれるって!」と嬉しそうに言いながら…。そうだよ少年、君のお父さんは正直で素晴らしい人なんだよ、、、。
簡単パタパタ絵本と言っても、ヒントなしに折り上げるのは大人でも難しいのだが、その少年はあっという間に仕組みを理解し、本当に5分で仕上げてしまった。「お父さんは、すごいね。君の才能を見抜いたんだね」と言うと、嬉しそうに「うん」と言って、お土産の絵本(福音館さんから、何冊かギフト用の絵本を提供していただいています)を受け取り、またまた足早に帰っていった。
本当は、もっといろいろ教えてあげたかったけど、車で待っているお父さんの気持ちも良くわかる。手早く5分で終わらせたが、自分の名前の書いてあるあの絵本が親子のコミュニケーションになってくれればいいなと思わずにはいられない。子どもの笑顔が親の希望になるんだから。

震災から3年経った。でも、3年経ったからこそ、どんな支援が必要なのかが見えてくるのだと思う。
今回は2日間だったが、支援の在り方を深く考える機会でもあった。
絵本ワークショップに参加(無理矢理?)してくれた皆さんありがとう。

ただ、被災地の状況も千差万別で、どれが一番有効で本当に必要かという手段は、3年で見えることもあれば、もっと長い年月が必要なこともある。
でも、私が感じたのは、大人のそんなストレスを日々子どもは受けながら暮らしていても、自らの成長を生きる糧にしていることだ。そして、子どものそんな成長を支える社会を作ることが、私たち大人が生きる目的なんだということ。まだ3年、もう3年、、、こうやって毎年時間を心に刻みながら、その時々に合う、コミュニケーションをするために、これからも東北へ訪れようと思う。



  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 23:42Comments(0)子育てノート「毎日がファンタジー」

2014年10月13日

585)カンボジアの子どもたちレポートです

カンボジアの歴史を知れば知るほど、国の政治が人々の生活に影響し、最悪の結果をも招くこともあるという現実が見える。ちょうど1980年前後にシンガポールに暮らしていたのだが、字が読めるというだけで殺されてしまった国が近くにあったことさえ知らなかった。 
そんなカンボジアだが、少しづつ希望の光を取り戻してきている。
もちろん、ゆっくりとではあるが、、、。
そんなこれからの希望の光を担う子どもたちに、読書という想像する世界の素晴らしさを伝える図書館バスの取材を行ってきました。

この活動をカンボジアで推進するSIPARは、子どもの育ちを本を通じて支援する団体などに贈られる国際賞「第21回「IBBY朝日国際児童図書普及賞」を受賞しています。

そのSIPARの活動風景を「学校の図書館」の最新号 2014年 秋号でレポートしました。
SIPARの夢は、「この図書館バスが必要なくなる日」という言葉に東北の被災地の姿が重なります。

ぜひお読みください。 

特集:図書館振興財団の助成事業
申請の前に知っておきたいこと
2015年度募集事業・長野県図書館協会の実例
助成を申請する前に知っておきたい20のこと/ 定価1000円(税別)
http://www.toshokan.or.jp/owl/index.php

  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 13:01Comments(0)マイティブックについて

2014年08月23日

584)子どもの本のジャーナリズムとは

 これまで子どもの本について勉強しながら周囲に感じていた違和感の理由が、最近やっと分かるようになった。私が欲しているのは、絵本や児童書の文学的な価値を学ぶことではなく、どうしてそれが世の中に受け入れられたのか、または子どもの本から生まれる新しい価値や環境の変化といった文化的な背景の追求、情報だということだ。

 もちろんそのためには、ロングセラーや文学的評価の高い本、また周囲から認められ地位を築いている有識者や作家から、作品についていろいろ学ぶことは必要不可欠なのだが、いざ勉強会に参加しても、その作品や作家のことだけで終わってしまうと、自分の中で不完全燃焼を起こしてしまうのである。周囲の皆さんのように、「●●●さん、すごいわね」、「さすが●●作品」とは、簡単にはならないのだ。

 ブックトークでも、子どもの本を読み、その作品や作家について語ることにはあまり興味を覚えず、その本が子ども社会でどのように作用し、文化にどう影響するかについて意見が集中してしまうことが多い。そのため、申し訳ないことに議論が教育から子育て、はたまた国際問題や経済や政治のほうに発展しがちで、子どもの本が大好きで、本について語り合いたい皆さんとは、なんだかかみ合わない空中戦の話し合いになってしまうのである。
 
幸い、私の周りにいる子どもの本好きの皆さんは、大人なのでそんな私にもフォローをしてくれるためありがたいが、絵本コラム二ストという肩書から、絵本についての講師を頼まれると、主催者側とのミスマッチが発生することも多々あった。

 そこでモヤモヤの原因がはっきりしたので、最近は子どもの本のジャーナリストという肩書を使うようにした。絵本のコラムニストであれば、やはり作品を文学的に評価する視線を持たなければ、プロとは言えないと反省したからである。

 すると今度は「子どもの本のジャーナリストって、何する人ですか?」と聞かれるようになった。「世界の子どもの本の現場や作品、作家を取材し、多文化社会における子どもの文化への理解を深め語る記者です」と自分の中では、のどごしよく答えるのだけれど、相手には「絵本(子どもの本)コラム二スト=子どもの本について語る人」との違いが分からないようである。最後には、「あっ、癒し系ではないということですね」の反応で、微妙に正解。

 でも、結論から言えば、肩書なんてどうでもいいのかもしれない。私の話から、問題意識や国を超えた理解を感じてくれる人が増えれば、子どもの本が人間の暮らしの中で発揮する素晴らしい力が伝わると思うから。そして、それが皆が望む平和な世界につながれば、私が言うよくわからない仕事も理解してもらえると思うから。まだまだ、言わなきゃいけないことは、たくさんあるぞ!  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 15:52Comments(0)マイティブックについて

2014年08月22日

583)出産祝いにぜひどうぞ!新カタログ

8%の新税率になって税抜表示に書き換えた書籍カタログがやっと出来ました!出産祝いには、マイティブックのオリジナル絵本をぜひどうぞ。


クリックすると大きくなります。



  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 18:21Comments(0)マイティブックについて

2014年08月21日

582)夏休みの宿題 読書感想文の書き方

夏休みの終了間際の緊急企画?
子どものための読書感想文の書き方 3つのアドバイス

子どもの夏休みの宿題で、一番厄介なのは読書感想文…。ママ友から夏の終わりに聞く言葉です。
まず、課題の本を読むことが前提ですが、その物語が長ければ長いほど、1日、2日では終わりません。夏休み終了間際の1週間、そこで課題図書の要約サイトやブログにアクセスし、それを読んで感想文を書く、もしくは小さい子どもなら、親が検索して書かせるのでは?と検証できるような、子どもの本好きで課題図書についてもたくさん書かれている友人サイトの話もあります。
 
 こうして本が嫌いになったと言う子どもも多いようで、読書感想文って何のための読書推進活動なんだろうと考えてしまいます。しかし、感想文そのものは悪いことではありません。自分の見方や視野を膨らませるいいトレーニングになるからです。
ただ、今更そんな呑気な事を言っていられない状況の皆さんも多いハズ。そこで、ちょっとした工夫で、書きやすくなる方法を伝授したいと思います。

1) 感想文は一人で書くという思い込み
感想文って孤独な一人作業だと思っていませんか?もちろん、他人の作文の書き写しやコピペは厳禁ですが、書く前に意見交換することは、ブックトークといって海外では当たり前に行われています。友人も忙しくて会う時間がないという場合、今はフェイスブックやラインがあるので、仲間と本についての感想をやり取りしてみてはどうでしょう。1冊の本を自分が分かる(読んだ?)部分だけでも、他人と議論を深めていくと不思議とお話全体についての理解が進みます。そのやり取りで、思ったことを自分の言葉でまとめてみましょう。

※<追加の技> ブックトークで友人が言った言葉に共感することもありますよね。そういう時は、その言葉を使ってもいいのです。その場合のルールは、「他人の言葉」であることをはっきりさせて書くことです。例えば<友人はこの本について「●●●」と言ったが私もそう思った。>とか。そうすれば、これは他人の言葉だけど、自分の言葉でもあると伝えることができます。

2) 本は中身だけではない
読んだけどどうしても、感想が書けない場合。これが紙の本のよいところで、本というのはカバーのデザインや挿絵、使用されている紙の質感、活字の書体、ページの枚数や重さなど、すべてが本なのです。本の感想は、お話だけでなくてもいいのです。作り手の立場になって、どうしてこのような装丁にしたのかを考え、感想を加えると、意外に本の全体で言いたいことがまとまったりします。実際本って、棚から読者の手に取られるかは、装丁が勝負なのですよ。ビジュアル脳の人には、このアプローチをおすすめします。

3)読まなくてもいいという選択
どうしても、興味が持てず読めない本ってあります。課題図書であっても、やっぱり無理だったという場合。そんなときは、読んだふりをして書く必要なんてないのです。でも、宿題が、という皆さん、そんな気持ちを書くのです。テーマは「どうして私がこの本を読めなかったのか?」です。
文体が頭に入らない人もいるでしょうし、ほかの本が良かったという人もいるでしょう。それは感想文じゃない、と言われるかもしれませんが、心の糧になる読書とは、そういった「なぜ?」を考えること。読んでもない本の感想を無理やり書くより、ずっと有意義な読書感想文なのです。(と私は思います) 

<番外>
遊び過ぎてタイムアウトな残念な皆さんへ
「読めなかった」理由を素直に書いて出し、締切の執行猶予をもらうのがよいのではと。(私の職業では逃げることが、出来ないのでこうして謝りながら続けています…。)
ただし、まだ夏休み終了まで約10日。あきらめるのはまだ早い!頑張れ子どもたち!本は君たちの味方なんだよ~~。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:39Comments(0)子育てノート「毎日がファンタジー」

2014年07月24日

581)企業が作る絵本:日本と海外の違いについて

夏休みになって子ども向けイベントがあちこちで開催されています。
そんな場所を、てくてく巡っていると無料で企業から配布される子ども向けの絵本が目につきます。最近、どんどん増えているように思います。

そして、正直申しまして、そのほとんどが読まれることもなく廃棄されるのでしょう。
だって、内容がつまらない。分からない。子どもが興味を示さない。絵本の専門出版社だからではなく、子育て母の目線からでもそう感じます。
そしてそんな、トホホで立派な絵本が出来上がってしまう理由に、<3つのアバウト>が原因ではないかと、企業や代理店の方の参考にしていただければと思い書いてみました。


【その理由1】配布対象者がアバウトすぎる

 作られた絵本の読者対象があまりにも漠然としていて、渡された子どもの多くが共感できないことです。私が絵本を作る際に重要と考える要素の一つに、対象読者の理解があります。本に描かれている場面(舞台)が、子どもの頭の中で想像されることで記憶に刻まれ、共感できる作用があると考えます。逆に想像できなければ、子どもにとって訳のわからない役に立たない絵本ということです。
 子どもの理解力への対応として制作現場では、「難しい言葉を使わない」と言われることが多いのですが、子どもは難しい言葉には意外に柔軟であったり、大人の読み聞かせで丸覚えしたりします。ピンポイントで現れる理解不能な言葉よりも、その言葉が使われている物語の設定が分からない場合、全く興味を示しません。逆に、物語の設定が自分の理解力よりも低い場合も同様です。子どもの理解力の目安に年齢というものがあるので、絵本を作るときには対象年齢への意識を持ったほうが絶対によいです。絵本だからといって、すべての子どもが対象にはなりません。もちろん、そういう絵本も存在しますが、それはもうすごい作家の才能と長い年月の中で培われた風土から生まれるもので、企業プロモーションの絵本で求めるには、ハードルが高すぎます。


【その理由2】広告なのか?純絵本なのか?立ち位置がアバウトな絵本

 海外でも企業がPRのために絵本を作ることがありますが、子どもを対象とした場合、必ずと言っていいほど専門家が監修や編集に参加します。昨今企業の社会的責任などが強く求められる中、子どもに配る物への配慮は日本と比べものになりません。企業のカラーを強めればと強めるほど、子どもに投げかける一言一言に責任が発生するという強い意識があるのです。
 そういった社会の状況もあって、児童の心理や教育といった関係のある専門家が、絵本の編集者と議論を重ねて、企業の持つ価値観を言葉や絵で表現していきます。企業にとっても信頼できる絵本を作ることが重要で、安心して保護者も子どもに手渡すことができるわけです。ですので、海外の場合、企業が制作した絵本でも一般書籍として販売している本が多いのです。
 純粋に企業PRを目的とした絵本は、企業名やロゴがドンと入っていて、これは「広告です」としっかり伝えているはずです。広告か? 純絵本か? をあいまいにした日本の絵本も今後、こういった観点で問題視されるかもしれません。


【その理由3】お金を出す側と作る側の意識でアバウトな展開に

 発行が出版社であっても、配布物であっても、それが広告か純絵本かといった、日本の絵本の不明確な立ち位置との関係が、作り方にも影響しています。
 「絵本」と「企業」を結び付けたプロモーションは大体企業の広報と代理店との間でブレストされ、その本を作るために、これくらいの費用でと企画と予算が固まってきます。この企画を立て予算を決めるところに、絵本制作の知識がほとんどないこと(必要もないでしょう)、そして絵本の有識者が少ない会社が進行管理をしていることが多いのです。絵本専門の出版社であれば、これまでの経験からやりとりの中で、本の狙いに対し、予算も含め何が可能・不可能が判断できますが、知識と経験のないところでは、やはり難しいと思います。

そして、実際の制作に入ると、
1)自社サービス商品のPR >を
2)子どもの笑顔と将来の人材育成 >とむすびつけ
3)企業イメージと社会的貢献度UP >しよう

という立派な企画趣旨が、お金を出す側とお金を受け取る側の主従関係となって展開案にどんどん影響してくるのです。きっと最初は素晴らしい狙いがあったのだろうな、とその企画の影が浮かび舞台裏の苦悩が読み取れる企業絵本に出会うことがとても残念です。
 結局のところ、日本では企業プロモーションとして位置づけられた絵本には読み手よりも、クライアントの満足度が意識され、実際に子どもや保護者が手にとったときに、大きなクエスチョンマークが頭に浮かぶのではないでしょうか。
 イベントなどで配布した際に、評判が良かった、たくさんの人が受け取ってくれたといったフィードバックがクライアント側に行われるのでしょうが、それは子どもがイベントで「モノをもらうことのうれしさや楽しさ」であって、絵本の評価ではないと見受けられます。


【まとめ】自分が親だったらこの絵本を読ませるか?この絵本を子どもが読むか?

 冷静になって考えてみれば、良質な製品を好む日本人にはすぐに判断がつくのではないでしょうか?また、絵本であっても倫理的な観点は必要です。いえ大人の本よりももっと必要なのではないかと思います。 
 広告か否かで、表現は限りなく違ってくるということも企業広報は理解して作らなければならない時代です。1)自社サービス商品のPR を 2)子どもの笑顔と将来の人材育成 とむすびつけ 3)企業イメージと社会的貢献度UP しよう という立派な企画趣旨をまっとうした絵本を妥協せずに作っていただければ、アイデアいっぱいだけど、お金がなくて実現できない!!!という、うちのような貧乏出版社にも希望が持てます。

 誤解のないように、最後に言いますが私が言いたいのは、企業は本を作るなということではないのです。ぜひ、企画会議に呼んで下さい。これからのグローバルな企業絵本作りのお役に立てると思います。

 なんだ、結局自社の宣伝じゃん…。 って思わないでね(^0^)  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 12:52Comments(0)マイティブックについて

2014年07月23日

580)図書館の学校 今月はスペインの書店さんです!


公益財団法人 図書館振興財団発行の機関誌『図書館の学校』で連載している世界の図書館、2014年夏号から3年目を迎えました。今年は少し視点を広げ、図書館と連携する本のある場所にもフォーカスしようと思います。その第一弾が、スペインの書店さんです。
書店の持つ長年の技術で図書館や顧客と連携する取り組みに、カフェ風とかギャラリー風とか、すぐに誰でも出来るものじゃない、書店は本当は技能集団なのだということを知りました。

興味のある方、ぜひお読みください。よろしく~~。


http://www.toshokan.or.jp/owl/
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 12:17Comments(0)マイティブックについて

2014年07月22日

579)「外飯母子」も遠い日の夢 

子供の夏休みがはじまりました…。
寮生活の息子も戻ってきて久しぶりの3食ご飯作りです。
子供が小さいときどうやっていたんだろ?と思うくらい面倒です。
ちょっと前は手抜きの「外飯母子」という手もあったのですが、最近はもう母親とのご飯はありえない、と全身で息子に拒否られたりします。

子育て直下の皆さんのご苦労は察しますが、今振り返ればとても楽しい時間でした。
真夏の暑さに、バテそうな時に子どもと公園で食べたアイスクリームの味を思い出しながら、梅雨明けマジかな空を見上げております。

そういえば、最近スーツで働く女性、少なくなりましたね。以前はスーツ姿でベビカーを猛ダッシュで押し保育園に行くママを(自分も)よく見かけましたが、今は本当にカジュアルです。ここ10年で本当に環境の変化を視覚からも感じますよ。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 10:35Comments(0)子育てノート「毎日がファンタジー」

2014年06月09日

578)ブラジルはサッカーだけじゃない!ホジェル・メロ応援中


2014年国際アンデルセン賞、画家賞を受賞したブラジルのホジェル・メロさんと作家賞受賞の上橋菜穂子さんの記者会見が5月20日にブラジル大使館で行われました。
たくさんのメディア関係者の方にご来場いただきました。
2人の国際アンデルセン賞受賞者の、この歴史的な瞬間に立ち会えたことに本当に感激しています。

メロさんと私は同じ年。
最初にお会いしてからもう8年近く経ちます。
その関係で今回は少しだけ、メロさんの日本滞在のお手伝いをさせていただきました。
まさか日本で、こんなにお付き合いが深まるとは、私にとって奇跡に近いかもしれません。

メロさんに感心するのは、出会った頃と変わらない勉強する姿勢。
気になったものは、すぐに携帯のメモ機能に打ち込む、調べる、気になる言葉や音は録音。
最近の携帯テクノロジーの進化に関して少々否定的な私ですが、このような利用法であればむしろ関心します。

自分の感じたことへの疑問をひとつずつ解決しながら出会いを楽しまれる姿勢は、時に時間がかかってスケジュールが読めないという難点はありますが、むしろクリエイターとしてはそのほうが当たり前ですよね。
気になる扉の鍵を探り前に進む。そんな感受性への裏付けを追及していくことが、彼の絵本に厚みを加えていることは間違いありません。
感性に理論や裏付けなどナンセンスだと言われそうですが、子どもの本にはやはり大人の感覚だけでは収まらない、作家の噛み砕いた表現が絶対条件ですし、そのためにテーマを深く理解することが必要です。

5月26日には府中の中学や高校の学校訪問を行いました。
そこで学ぶ子どもたちのこれからの人生が変わるかもしれない、そんな出会いになったかもしれません。

私たちがこれからの世代に何かできるとすれば、そんな出会いの場を数多く提供することではないか?
また、グローバル教育とは、そういう教育ではないかと思います。
私のその思いに共感してくれたメロさん、そして受け入れていただいた学校関係者の皆様に本当に感謝しています。
頑張っていると、神様は、ときどき本当に素敵なプレゼントをくれます。

学校訪問の様子はこちらのYouTube いまどこイレブンのニュースで見れます。
http://www.youtube.com/watch?v=IzJehotWcy4&feature=share

次回メロさんと上橋さんには、9月開催のIBBYのメキシコ世界大会の授賞式でお会いする予定です。  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 14:48Comments(0)

2014年05月14日

577)本が売れない出版不況、会社や事業をどうする私!?

6月末で決算11回目。決算は会社の通知表ですが、イマイチぱっとしない。というか、ここ数年ダメダメの落第が続いていて、これからのことを考えると、めまいがしそうになります。
それなりに、ひとつずつうなずきながら前に進んだ10年ですが、昨年契約更新を絶たれ足払いのように撤退した雑誌事業の次の一手が必要だし、自分の年齢と稼働力を考えるとのんびりと考えてばかりも出来ない・・・。 
お金の神様が敵に見える?怪奇現象も起こり始めていました。

そんな時、ハッと気が付いた出来事がありました。

翻訳者や編集者、美術館の関係者など著名な有識者の皆さんと、日本で未発表の絵本に関する勉強会に先日参加させてもらったときです。

皆さん知識と経験を持った素晴らしい方で、絵本についての所感や日本で出版する場合など、かなりこだわった意見交換が行われ有意義な勉強会でした。

しかし一方で大きな不安が襲います。

それは、日本で出版する場合という話に至るとき。

製本やカバー、判型にこだわった数々の海外の絵本を前に、「このままの形で日本で出版するにはコストがかかるので、無理だろう・・・」というコメントがいつも交わされるのです。

マイティブックも出版社ですので、その事情は200%理解できます。

しかし美しい海外の絵本は、絵本が紙であることの意味と意義をも伝える作品。
それをこれから出版社につなぐ(売り込みをかける)人たちが、コストを考え無理と判断する。
これまで大手出版社に何度か提案したけれど無理だったという経験からでしょうが、今の日本の出版環境の閉塞感を改めて感じた次第です。

そんな出版社のコスト計算がクリエーターにも伝わり、それなりの出版可能なコンテンツで絵本が量産されていく。
今の日本で、読み捨てにされる絵本の現場と現実。

日本の大人の持つ常識的な見識で、それなりのマーケットで商売をするということも悪いとは言いませんが、それは大手出版社しか出来ないことです。資本の少ないマイティブックは、生き残れない。

一方で海外からは、多様で多彩な、こちらがうなるような作りの絵本が毎年届きます。
この差はどこで生まれるのか?

それは作り手が売り手とこだわる可能性への想像力ではないか?
経験から産まれた新たな想像力で挑むという態度。小さなマーケットへのこだわりは、小さな出版社が図書館や書店といっしょになった読者開拓の活発な活動にも通じています。

大人の経験がそのまま今の子どもたちには通じない変化の激しい社会です。
子どもたちの心をつかむ、「あっ」と言うような本は、こうじゃなきゃ採算がとれないという計算からは望めない。

そして、想像力が不足すると、閉塞感が増すのは当たり前。
ということは、出版不況も当たり前。
今の日本に閉塞感が増しているのも当たり前。

新しい出版事業のしかけを、問題の原因そして流れを小さなマーケットで見直していけばマイティブックは生き残れる。
煮詰まった計算を無視して、もっと想像してみよう!

もともと、マイティブックはそんな設立を目指していたではないか!

参加した勉強会の目的とは全く違うのですが、何だかスッキリしてしまいました。

会社の経営を安定させることが目的ではなく、皆がわくわくするような出版文化を実現する事業、結果会社が安定する。そんな覚悟を決めた事業計画を再構築。もともと企画書づくりは大好きなのだ。

この、弾けるような感覚が仕事の面白さ。  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 12:11Comments(0)マイティブックについて

2014年05月08日

576)中国で出版開始!マイティブックの絵本

『なまえのおはなし』

30年以上も前の話だけど、今でも忘れない。
私がシンガポールのインターナショナルスクールに入学したばかりの頃、クラスメイトは私のことを「ジャパニーズ」と呼んだ。
当時、日本人の女の子が数人いて、ほとんどの女の子の名前に「子」が付いていた。
加えて私の「キミコ」は、外国人には発音しにいこともあった思う。

でも数日経つと、仲のいい子数人が「キミコ」と名前を呼んでくれた。
それが本当に嬉しかった。

そして、私が英語の授業に慣れ始めた頃、誰も私を「ジャパニーズ」なんて呼ばなくなった。
友だちは私を「キミコ」と名前を呼んでくれた。
自分の名前を呼ばれると、それは自分がみんなに認められているという嬉しい感覚で満たされる。名前は自分の存在を示すアイデンティティだと知った。

子どもは自分の名前をやさしく呼ばれると、瞳をキラキラとさせる。
そして嬉しそうに返事をする。
そんな子育ての現場で、「そうだそうだよね、嬉しいよね」、と思わずにはいられない。だって自分がここにいることを認めてもらっているのだから。どんな小さな子どもでも、名前が自分のアイデンティティであることを理解できるのだ。
誰も教えていないのに、とても不思議・・・。

『なまえのおはなし』は、小さな子どもたちのために、名前の持つ力と初めて親からもらうギフトの素晴らしさを物語に詰め込んだ。そして、みんなに本当に素敵な名前があることが伝わるイラストを林るいさんが添えてくれた。

子どもが大きくなって、このオリジナル絵本を開いたら素敵なメッセージになって返ってくるだろう。
それは、マイティブックでしか作れなかった1冊だと自信を持って言える。

そして、出版から10年経っても、未だにキラキラしている絵本がマイティブックから生まれたことが嬉しい。
そして、出版から10年経って、そのキラキラが中国の子どもたちにも届けることができるのが嬉しい!

中国版は『なまえのおはなし』、『おつきあいのやりとり帳』、『おとうさんのにがおえ』の3冊セットです。
もちろん、他2冊もマイティブックのロングセラー。

中国語出版に協力してくれた、蒲蒲蘭さん本当にありがとう!!!!お月様の歌も中国語、、当たり前ですが何だか可愛いです。


  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 21:25Comments(0)マイティブックについて

2014年04月15日

575) ご注意!弊社絵本の類似品が出回っています

ご注意ください! 絵本『なまえのおはなし』に大変良く似た商品が出回っています。

2014年4月15日
                
 
平素よりマイティブックの絵本をご愛読いただきありがとうございます。
さて、弊社が2004年から「子育ては素敵な魔法―いにみにまにもシリーズ」として発行している絵本『なまえのおはなし』と大変良く似ている絵本が出回っているとのお問い合わせをお客様からいただいております。

<類似点>
1)登場する動物たちが自分の名前を言い合うストーリー展開
2)持ち主である子どもの名前を絵本の登場人物として書き込む企画

 弊社調査によると、株式会社iicotoが発売する『あなたのおなまえは?』であると確認されました。この類似商品は、女性が開発に貢献した商品として神奈川県の「第1回神奈川なでしこブランド」に認定されていますが、弊社が関わっているものではございません。
 また、絵本『なまえのおはなし』の内容及び企画は、弊社が先行して2004年からブランディングに取り組んでおります。
 類似書籍は宣伝告知等も弊社絵本と非常に似ており、お客様には『なまえのおはなし』との誤解を招く恐れがありますので、ご購入の際は何卒、ご注意ください。
 マイティブックの『なまえのおはなし』は2004年から発行のロングセラー絵本です。お子様のお誕生の記念として、また子どもの健やかな発育を願い、これからも末永くご愛読いただければと存じます。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。

*添付写真は『なまえのおはなし』発売当時(2004年9月23日)の宣伝チラシです。


  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 19:46Comments(0)マイティブックについて

2014年03月26日

574)会社にとっていい仕事は、自分にもいい仕事


間もなく年度末。

マイティブックの決算は6月なのですが、請け負っている仕事の更新や残念な打ち切りのご連絡が入ったり・・・、溜まった請求書を慌てて書いたりと年度末を感じます。

この作業、もう10年やっているんですよね。

会社に勤務していた頃は、請求書は経理から自動的に発行されるため、自分の仕事の価値をお金で考えることはしませんでした。

でも、自分で会社を作ってから、月末(もしくは年度末)に発行する請求書は、全部自分で値段を決めて書いているわけで、その1枚1枚に対し、どれくらいのパフォーマンスがあるのかを考えるようになりました。

「仕事を通じてどれくらい成長できたか?」
自己流ですが10項目の全部をクリアできるような仕事がしたいと、10年前にわくわくして作った指標が写真のものです。
請求書を書くときに自分で確認する表でもあります。

会社10年ということで、経理ノートに挟んでいたものを、何気に貼りだしてみました。

1)のクライアントは、消費者となる場合も多いのですが、ほとんどが、1)と2)の繰り返し・・・ですけど。
(ソレ!ワンツー!ワンツー!とこのブログのタイトルみたいですな)

場合によっては、4)まで達成と喜んだら、2)が抜けた!

それよりも、げっ!1)だけで終わってた!なんてこともあります。

ただ、そこにはそうなる要素があって、でもその要素が次の10)につながれば、経理上の経営はダメだったとしても、経営者として満足できます。
請求書を書くとき、2)止まりの、お金をいただいて終わり、という仕事のほうがツライのでした。

マイティブックで、そんな10年が過ぎました。

10)まで到達出来る難易度の高い仕事はまだ実現できていませんが、これからの10年でやりたい。
只今、新規の事業計画を情熱で作成中。

いまだに世界を変えたいと妄想する、夢見るおばさんです。
  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:35Comments(0)マイティブックについて

2014年03月21日

573)オバマ大統領はノーベル平和賞受賞者ではないのか?

朝、パソコンを開くと世界中で起こっているニュースが飛び込んでくるようになった。
その大半が、一日を憂鬱にするような、とんでもないことだったりする。

ここ数日、ロシアのクリミア編入を受けた、オバマ米大統領の制裁についてのニュースが流れる。
日本もアメリカに同調しロシアの経済制裁に加わるのだろうか?


今年の1月末にロシアに初めて訪れた。
ロシアの中・高学校や図書館などで、子どもや先生、他教育関係者といろんな話を交わした。

ある学校の校長先生は、ロシア語だけでは国際的に子どもたちが活躍する場がないので、英語教育に力を入れていると言っていた。ある、図書館で働く女性は、親とソビエト時代にアメリカに移住した科学者の一家で、ロシアになって自分だけアメリカ人の夫とロシアに戻ってきたそうだ。また、ある女性のご主人はイタリア人だった。
ロシアは私が思っている以上に、アメリカやヨーロッパととても近い関係になっていた。

もともと豊かな出版文化を持っていたロシアだが、新しい作家の伊吹を感じさせる新しい本もたくさん書店で見つけた。
社会主義を観光資源にしたミュージアムには、ロシア人の新しい国作りの理想が見えた。
何よりも、情に厚く、(モスクワだけでなく、極寒の郊外の人も、意外によく笑う)陽気な人々。

そんなロシアに魅せられ、帰国した後に始まったソチオリンピックを見ながら、再び訪れたいという思いが募る。

そんな平和の祭典中、アメリカの入場行進のユニフォームがカッコいいとか、日本は地味とかメールでやりとりしながらも、ロシアとアメリカの対立が緊迫しはじめた。
ロシアはオバマ大統領のアメリカが下す制裁で今後が決まりそうだ。

それは、政治上の関係だけでなく、経済にも大きな打撃を与えるだろう。
その影響を受ける可能性が一番高いのが、未来のロシアを描き奮闘している、まっとうな教育関係者たちの取り組みだ。
国の経済が混乱すれば、一番に影響が出るのは文化や教育の場であることは、日本を見ても分かることである。

ソビエト崩壊後、それまでの政権で支援されていた資金が無くなりながらも、新しい子どもたちの教育に情熱をもって携わってきたロシアには、日本の戦後教育にも通じるところがある。ただ、日本はアメリカに嫌われないように従ってきた。
それは時代が、アメリカという国に夢を求めたからだろう。

ロシア訪問時、普通中高等学校で50人くらいの生徒と2時間くらい、日本や私の会社、日本やロシアの子どもの本について、英語で話をする場を持つことができた。子どもたちは、英語は便利とネットやメールで世界とやりとりをしているという。
そして、何人かの子どもたちは、私の後を追いかけるようにやって来て、「英語の次は、日本語を学びたい」と言ってくれた。

現代のロシアは、何に夢を求めているのだろうか? 
ここは、もっとロシア情勢に精通しなければ語れないのだが、アメリカや日本と不仲になることをロシア国民が求めてはいないことだけは明らかだ。(と、思う)

私たちは、ロシアの子どもたちのキラキラした瞳が、曇るような結果にならないようにしなければならない。
そして、忘れてはいけないのはキラキラする子どもたちはロシアにも、ウクライナにもいるのだ。

間違った政治判断は、両国の子どもの未来を望まない方向に変える。

今、日本に求められるのは、経済制裁の相乗りではなく、アメリカとロシア両国の協調を進める交渉力だと思う。
オバマ大統領は、ノーベル平和賞受賞者ではなかったのか?
こんな時こそ、日本人の調整力を活かした外交をすべきだ。

頑張れ日本政府!
ロシアもアメリカも日本にとって大事な地球の仲間なのだ!








  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 11:55Comments(0)

2014年03月11日

572)3月11日 原発はいらない

3月11日東日本大震災、3年ですがだんだん重く感じます。
息子の小学校、卒業年でした。

中学の制服が、東北の縫製工場で作られていたそうで、入学式前日に間に合わず、式当日に教室で何とか受け取って全員の集合写真が撮影できたっけ。

その日なもんで、ズボンのウエストや丈もとり合えずな状態でしたが、もちろん文句なんて言えなかった。

その後、写真館で家族写真を撮影したのだけれど、その時もうちだけ幸せそうに、嬉しそうにしてよいのか・・・という空気だった。小学校の卒業、中学入学はそんな特別な年だった。

3年後、そんな息子が高校生になります。

小学校を卒業した春休みの震災直後は被災地に送る雑誌や絵本の梱包を手伝い、7月には被災地訪問も一緒に行ったなあ。
東京で他人事のように、休みになるとずーっとTVゲームをしている姿に腹が立って、強制的にいろいろやらせたんだけど、もしかしたら周りの尋常ではない空気を感じとってゲームに逃げていたのかもしれません。

当時の彼の心境はよく分からないけど、本当に何にもない海岸線とがれきの山の風景は彼の中で今はどんな風に変わっているのでしょうか?
彼らが、これから震災復興と向き合って日本を支えていくのは、遠くない未来。そんなことを思います。


そして、私自身、被害の大きさを3年前よりも大きく感じます。
目の前で見た惨状よりも、人々の間で大震災がシミのようになってしまった今の日本のほうが恐ろしく見えます。

3年も時間をかけたのに、原発を停止と言えない日本が怖いです。
私は、活動家ではありません。理想主義者でもありませんが、この3年間で固まった思いです。

原発再稼働はしてはいけない。

原発のない暮らしをするために、
節電も続ける。
消費税UPも我慢する。
だから、原発は止めて欲しい。

3年分の黙祷。



  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 17:32Comments(0)マイティブックについて

2014年03月06日

571)本が売れないのは図書館のせいか?

本の学校 特別シンポジウム2014春

街の本屋と図書館の連携を考える
―地域社会での豊かな読書環境構築に向けて―

に参加して感じたこと・・・・ 

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 本が売れない。これは事実です。
また、起業して10年が経ちますが、本の売れ方が変わったということも身を持って感じます。

 まず、書店経由での注文がほとんどなくなりました。もともと書店と出版社をつなぐ取次ぎという本の卸やさんへの高いマージンを払えず、直販を主体にしていたため、書店販売は強くないのですが、それでも当初は書店の注文が売上の半分くらいありました。自社サイトやアマゾンなどのネット書店でも売っていたのですが、10年前は読者が「本が欲しい」と思った時に、まず行くところが書店だったのだと思います。

 書店にしてみれば、出版社1社との直接取引は在庫管理上かなりの手間になります。「マイティブックに電話をして注文する」。この行動を起こす倍以上の書店は、「マイティブックの本が欲しい」とやって来たお客様に「お取扱いできません」と伝えていたのではないでしょうか?そう考えながら毎日、書店の存在は読者にとって、とても大きいのだあと電話を受けていました。

 それが、10年たった今はどうかというと、書店からの注文はほとんどありません。マイティブックの本の売上げはさほど変わっていないのですが、ほとんどがネット経由で売れます。私自身もそうですが、本当に欲しい本は、まずネットで探します。読者の購買意欲は変わっていないが、動向が変わった、そう感じています。

 街の書店で本が売れない、書店が潰れている、とよく言われますが「書店で本が売れない」だけで、本は売れている。そういう現実があるのだと思います。

 それでは、この出版不況、出版社のデータでも本が売れていないという事実はどうなのかですが、これは、「つまらない本」が売れない、出版点数は増えるけれど、読者が買って読みたい本が少ないということで、書店の問題とは少し状況が違うような気がします。

 出版社はメーカーです。メーカーは家電にしろ食品にしろ、消費者のニーズに合っていない商品は作っても売れない。これは当たり前です。出版社は出版社で、もっと読者のニーズを追及していかなければなりません。「つまらない本」が多いよね、と自分も含め出版社の人間同士がグチグチ話し合うのは情けない限りです。

 子どもの本の世界では、マンガやキャラクターを使った売れる本が、とても商業的で悪い本のように言われる傾向があります。でも、これは子どもが喜ぶという購買者のニーズを抑えた本でメーカーとしては、当たり前の商品を供給しているのです。

 ただ、売れる本のもうひとつの方向に、本当に子どもの未来を考えた良い本のカテゴリーがあることも、出版社は知っています。まともな出版社であれば、そんなロングセラーになるような良い子どもの本を作るために、すなわちメーカーとして商品開発をする努力を重ねているはずです。

 そして、良い商品を作ったら、エンドマーケットに届けることがとても重要です。出版社にとってのエンドはどの辺かというと、マイティブックの場合は書店です。ただ、現状を正確に言うとすれば、書店「でした」となるかもしれません。

 街の書店で本が売れないのは、図書館のせいだという話もよく聞きます。先日セミナーで、「図書館は敵なのか?見方なのか?」というテーマの議論を、とても興味深く聴講させてもらいました。そして、最終的な議論の焦点が「図書館と書店は連携して、読書環境を向上させ、本が売れる環境を作ろう」とまとめられ、正直「何のこっちゃ」といった感想でした。今の書店という小売形態へ、本当に大変な危機感を感じてしまいました。

 確かに、街の中に何万冊も本が詰まった素晴らしい(しかも最近はおしゃれです)図書館が出来ると、本を買うニーズは減ってしまうという関係性はあります。しかし、「図書館と書店の機能は基本的に違うのだから、連携して読書環境を向上させましょう」とまとめるのは、小売業としての書店の本質をごまかしているようにしか思えませんでした。

 多分、ほとんどの書店経営者は確信的にこの言葉を「減った顧客を取り戻す」という意味、すなわち「図書館に新しいお客様になっていただき、売上を上げる」と言いたいのでしょう。そこらあたりの税金の使い道のような話などもありましたが、全くナンセンスです。
 
 「これでよいのか?」 

 先ほども書きましたが、マイティブックが本を読者に届けるための流通エンドは書店です。これからも書店だと言いたい。なぜなら、取り引きは多くはないけれど、努力し売ってくれる、感謝の気持ちでいっぱいの書店が日本全国にいくつかあり、そんな書店の必要性を感じるからです。でも、いくつかで本当によいのか? マイティブックのためだけでなく、出版の未来のためにも

 「だめでしょ?」

 書店は小売業という観点から言うと、定価販売なので競争原理の働かない非常に特殊な販売業です。また、取次ぎという特殊な機能もあるので、業界外の人にはなかなか切り込みずらいMDです。

 しかし、そんな小難しい話ではなく、日頃の消費者の目で街の書店を見ると、課題や問題点が見えてきます。どの店も同じ値段で、同じ商品を取り扱う小売業には競争原理が働きません。イメージですが、社会主義国の売り方はこうなんだろうな、お客様に「いらっしゃいませ」と言わないのは。

 小売業の常識からいえば、お客様の来店は飛び上がって喜ぶべきことで、それは「いらっしゃいませ」精神です。なぜ書店の場合、店員もしくは店長は、お店にお客様が入っても無視、もしくは「オレに話しかけるな~」、「めんどくさいこと聞くな~」で、全身から忙しいモードを発していることが多いのでしょうか。(もちろん、店ではなく人のことではあるのですが、全体の空気として・・・)

 お客様にとっても書店は特殊なお店です。タダで何時間もいていいし、空調も効いているし、と暇つぶしのフリースペースとして利用できるのです。タダで居心地のよいスペースを提供するだけというのは、普通の小売店舗の商いとしては成り立ちません。ハタキを持って追い出す、昔のマンガのようなスタイルのほうが経営としてまともだと思います。

 ただ、それでもこれだけ多くの書店が日本に存在するのは、取次ぎのフランチャイズ構造で、在庫のリスクがなかったからでしょう。これは非常に大きなメリットです。しかし、さらに読者にもっと親切な機能を兼ね備えたネット店舗という競合が出現し、街の書店はネット書店のショールーム化してしまいました。高額で重たい本ほど、ポイントが溜まったり、配送してくれたりするネット注文のほうがいい、書店では買わないでしょう。メリットがあっても売れなければ商売になりません。他の業界の店舗での小売りでもネットに対しては同じ状況ですが、価格で勝負できない書店はもっと厳しいです。

 一方で、そうは言ってもお客様が来なければ本は売れません。その通りです。でも、やって来るお客様が、買うという動線でつながっているのか?という部分を見ると、ほとんどがレジにしかフックがありません。ポップや棚の工夫も良いのですが、その店で買う、もしくは買わせるという行為の啓蒙に、書店はもっと気を配るべきです。「おもてなし」とまではいかなくても、「いらっしゃいませ」の態度が売上げに非常に関係しているという、これも普通の小売店では割と当たり前の感覚を取り入れるだけでずいぶん違うと思います。

 感じの悪い店員、店長がいる店は、飲食店なら一発アウトです。ショップでは買わないという選択ができますが、飲食はいったん入るとお金を払わなければいけません、ですから一期一会の接客の基本が勝負です。普通の販売で書店に近いところでいうとユニクロでしょうか? 態度にお金という経費はかかりませんし、事業規模も関係ありません。

 もう少し何とかなるのではないか? せめて、お客様に笑顔で、せめてお客様が不快にならない程度に、問い合わせに回答して欲しいと思ったりします。書店は小売業。書店のお客様は図書館ではなく、1冊、1冊を買ってくれる読者だと思います。その積み重ねが売り上げに、利益になってこそ、街の書店が生き残る道となるのです。

 図書館が購入書籍に万引き防止のタグを付ける作業がめんどくさいから、それを書店がやってあげる、そこまでできる書店が取引先として採用される…。これもセミナーのご意見で伺ったことですが、これは書店という小売り業のサービスではありません。立派な人件費を使った別料金のお仕事です。これが、図書館と書店の連携というのでしょうか? 図書館のイベントに本を売りに行くというのは理解できますが…。

 とまた、余計なことを言ってしまいました。
 
 でも、書店が対読者の窓口として機能しなくなると、一番困るのは、出版社なのです。零細出版社の立場から言えば、読者から直接ご注文いただき、出版社から配送するのが、一番利益が出ます。ここで、読者からよく誤解をされるのですが、ネット注文の場合、アマゾンは違います。アマゾンのようなネット書店は、出版社から見れば街の書店と同じで、手数料をお支払しなければなりません。

 しかしながら、読者がピンポイントでマイティブックの本を見つけアクセスし、自社サイトもしくは電話で購入してくれるという幻想を現実のものにするためには、私の年収の1000倍くらいのお金が必要なことも分かっているため、現実的にはネット書店に頼っています。

 だったら…、駅前にある書店、商店街の中にある書店、ショッピングモールにある書店に売ってもらうほうが絶対いい。
 なぜなら、街の書店はエンドユーザーの顔を見ているからです。本を買う人たちがどんな人たちなのか、その現場を出版社の目となって見てくれると期待しているからです。本当であれば、自分で売りたい。どんな人が、いつ、どうやって買っているかというマーケットデータが、売れる本の週間タイトルだけでなく、もっと欲しい。それくらい喉から手が出る情報が書店から欲しいです。

 単純なマーケットデータは、ネット書店のほうから、集計しやすいという事もあり入手できます。ただ、子どもの本を作っている側から見ると、自動販売機を相手に本を卸しているような感覚です。商業的には売れる本の傾向として参考にはなりますが、もっとリアルなところの読者動向を知って、本当に次世代に必要とされる良い本を作るためには、努力する良い書店とお付き合いする方が間違いないでしょう。

 街の書店さんには、お客様一人一人。地域の商圏をガッツリ抑えて頑張って欲しい。アルバイトが新刊並べて、後はご自由に、ではない書店に1つでも多く出合いたいものです。このままでは、図書館どころがコンビニに空間としての機能まで奪われてしまいます。そんな寂しいことにならないように、頑張って欲しいです。

 ご協力も惜しみません。書店復活のアイデアは、だてに世界の図書館や書店を見ているわけではないので、いっぱいあります。お気軽にご相談ください。

<次回に続く>

  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 16:41Comments(1)

2014年02月17日

570)博物館における高齢者問題

東京国立博物館で014年1月15日(水) ~ 2014年2月23日(日)まで開催されている、日本伝統工芸展60回記念「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―」 に16日の雪解けの晴天、行ってきました。結構な人が入っていて展示品の前には行列もできていました。

日本の伝統工芸は、緻密な作業の積み重ねから仕上がった緊張感のある品なのですが、どこか牧歌的に感じます。それは、草花、動物、虫、色といった季節を大切にし、自然が常に表現の中で生きているからなのだと思います。日本の産業に自然は切っても切れない関係であるということなのです。

伝統工芸の奇跡の1品の素晴らしさは私の付け焼刃の知識で語る必要はないと思いますが、もう一つこの展覧会で感じたことがあります。それは、高齢者問題です。

松井の皮膚感覚リサーチでは、来館者の75%は60歳以上でした。
絵本の仕事をしているため、普段は若い人が集まる展示会に接することが多いため、このような高年齢が集まる展示会との違いと気になることがいくつかありました。

1)ガラスを触る
細かい模様を施した作品が多いので、見たいという気持ちはとってもよく分かります。でも、ショーケースに手を添え顔を近づけると、吐く息のモヤがふわっと白くかかります。後ろで待っている身には、少しツライ光景でございます。とにかく、ショーケースに指紋がペタペタ、モノによっては鑑賞の障害になっていました。指紋のレベルを超え、ハンドクリームを使用されていると思われるご婦人の指紋手形には、もう笑うしかありませんでした。注意がなくても、ガラスに触ってはいけません。

2)話しながら鑑賞する
まず、博物館や美術館で話をすることに賛否はありますが、私は賛成派です。でも、世間話は止めましょう…。込み合って、並ぶ場所も多いのですが、そこがもう普段の歌舞伎の話やら、町内会の小言やら…、今回2~3名程度の小グループで来館されている「オバちゃん」、バスや電車の中もそうですが、公共施設の中ですので止めましょうね。

3)小刻みに人を押す
多分、気づかれていないのですが、小刻みに手や鞄で人を押し進めようとします…。ご婦人に多かったです。見たいという気持ちと、早くしなければという心理的作用が無意識に働いているかと思われますが、こちらもイラッとします。男性の場合は、列が進まないことへの不機嫌さを全身で表現する方が多く、まあこれは年齢歳に関係のない行動であります。

4)オペラグラスで見入る
これが一番驚いたのですが、年配者の間でオペラグラスを使用した鑑賞が流行っているんですね!!
顔を近づけるよりは、OKなのですが、1点、1点、ショーケースの間際でジーッと見入るため鑑賞に時間がかかるのです。もちろん時間をかけることにNOとは言えないのですが、後ろに人がズラーと並んでいる状態ではトホホです。本当に調べてみたい方は、どうぞと言いたいですが、できれば平日の空いている時間でお願いしたいですし、ファッションや話題性で使用されているご婦人の皆さんには、もうご遠慮願いたい行動です。

ちなみに、海外の美術館ではオペラグラスに限らず、ショーケースにモノを極端に近づけると係員から注意されます。ガラスに触れたり、後ろの壁に触ってもいけません。破損や盗難のリスクがあるからです。(よく日本人観光客が、元お城の美術館などのドアノブに触って注意されております)

以上くどくど書きました。それは私が「こんなおばさんになる危険性100%」だからです。
注意されると「だってさあ、駄目って書いてないじゃん」と心で反抗することも多くなりました。
すでに2軍入りしているかもしれません。
自分への戒めとして、忘れないように残しておこうと思いました。



  


Posted by 株式会社マイティブック    松井紀美子 at 10:41Comments(0)マイティブックについて